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「ほんっとに使えねぇ女だなァ!!!」
ゴンッと鈍い音が部屋に響く。
「きゃあっごめんなさ、おちついてあなた!!」
「偉そうな口聞くんじゃねぇ!!」
『おとうさんやめて、おかあさんかわいそうだよっ』
「ああ!?」
お父さんはお母さんを殴るのをやめ、
お母さんを庇った私の方へ来た。
「お前も偉そうな口きくのか、ああ!?
コイツと同じじゃねぇか!!」
『やぁっ!いたい!!』
「やめてあなた!!」
*****
思いきり押されて床に倒され、蹴られて。
お父さんが機嫌悪い日にはよく起こることだった。
私のお父さんはいわゆるDVだった。
だから私は小さい頃から体にアザがあったけれど、
私がお父さんに殴られるたびに庇ってくれていた
お母さんはもっと酷いアザができていた。
お父さんにまた殴られて新しいアザができた
次の日、小学校でクラスの男子2人が
殴り合いの喧嘩をした。そのうちの一人は、
普段温厚で私と仲良い男子だった。だけどその時は
人が変わったように相手の男子と殴りあってて。
それがお父さんの姿と重なって怖くなって
それ以来その男子と前みたいに
仲良く話せなくなっちゃって。
男の人って、どんなに普段優しくても
怒ったら人を殴りつけるほど凶暴になるんだ__
紫耀「…さん?内海さん?おーーーいっ!!」
『っひゃあ!?』
平野君の声で我に返った。
紫耀「大丈夫?急に辛そうな顔して黙り始めた
から…ごめん、聞いちゃダメなことだった?」
『え…あ、』
紫耀「んー…よし、内海さん!連絡先交換しよう!」
『………………?!』
なん…え?ん?は?
なんでそうなるの!?!?!?
紫耀「これから先、男の人と話せないんなんて
やっぱり不便だよ。毎回そうやって
怯えてたら内海さんも疲れちゃうでしょ?
だから、俺と一緒に克服しよう!
俺内海さんともっと話してみたいし!
スマホのメッセージでの会話なら
実際に会うわけじゃないから怖くないでしょ?
うん、そうしよう!!」
え、は!?ちょっと、勝手に決めないでよ!!!
余計なお世話だよ!!!
私の叫びは心の中だけに響いた。
もちろん彼には届かなかった。
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りのん(プロフ) - ぷりんさん» 楽しく読んでいただけて嬉しいです!ありがとうございます。申し訳ありませんが、現在リクは受け付けておません。ただ、このお話が完結した後に番外編としてリクを受け付けるのもアリだなと思いました!ありがとうございます、考えてみますね! (2019年8月12日 8時) (レス) id: c27560b7dc (このIDを非表示/違反報告)
りのん(プロフ) - けーぽさん» そういうお言葉本当に嬉しいです、、!更新は早くなったり遅くなったりですが頑張ります! (2019年8月12日 8時) (レス) id: c27560b7dc (このIDを非表示/違反報告)
ぷりん(プロフ) - いつも楽しく読んでます!もしリクエストOKなら、女の子の日で苦しんでる主人公のそばにいつも助けてくれる女友達がいなくて紫耀くんたちに助けてもらう話がみたいです! (2019年8月11日 21時) (レス) id: aa05a2c782 (このIDを非表示/違反報告)
けーぽ(プロフ) - こういうお話読んでみたくて。すごく面白いです!更新頑張ってください! (2019年7月31日 20時) (レス) id: 386d70d567 (このIDを非表示/違反報告)
りのん(プロフ) - みるくさん» そう言って頂けるとこちらも安心して自分のペースで更新できますありがとうございます!これからも頑張りますので暇なときにでも読んでくださいね! (2019年5月4日 21時) (レス) id: c27560b7dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りのん | 作成日時:2019年4月28日 10時