スカブロ世界のイレギュラー【wrwrd】 (ページ9)

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攻略7日目ページ9

ワープしたのはどこぞの建物の中。
練習場みたいなステージがあり、その反対側にはたくさんの宝箱と看板、大きな説明書き。
トントンさんが早口で一生懸命読んでいる間ちょこちょこ動き回るゾムさんは本当に好奇心旺盛だ。
そして、一足先に理解したらしい彼はこういう事やと説明を始める。

「Aはなんの職業なんやろな？」

ある程度理解したらしい彼らがわちゃわちゃと話し合っている時、ふとゾムさんが呟く。
職業？
はてなを顔に浮かべているであろう僕を見てトントンさんが説明してくれた。

どうやらこの世界にはいくつか職業があるらしい。
剣士、忍者、狩人、白魔道士、黒魔道士、召喚士。
彼らもそれぞれ別々の職業に就いているらしい。
ゾムさんが忍者、すごく納得出来た。
トントンさんが白魔道士。
コネシマさんが黒魔道士。
鬱さんが召喚士。
そしてやはり、スキルを使うには職業が必要だとか。
そしてそれは、この世界に入る一歩手前の世界で設定できるとか。
気付いた時にはこちら側にいた自分には全くわからない。
職業に就いているのか、はたまた就いていないのか。

「せや、ここに触れてみ」

ゾムさんが手招きする。
近寄ってみればそこには一つの看板が。
言われたように触れてみるけどなんの変化もない。
ぶっちゃけると、看板に書かれている文字も読めない。
眉を下げてゾムさんを見てみる。

「…なんもわからんか？」

ダメだという意味合いを込めてフルフルと首を振る。
そっかー、なんて落胆したような声。

「まぁしゃーないな、そういうんもそのうち分かるかもしれんし気長に行こうや」

慰めてくれているのだろう。
明らかに足でまといにしかならない存在だと言うのに、この人は本当に優しい人だ。
せめて、皆の足だけは引っ張らないようにしたい。
この世界がどういう世界なのかまだわからないが、やれる事を探さなきゃ。

余程深刻そうな顔をしていたのだろうか、こちらを見ていた鬱さんと目が合い、彼は大丈夫大丈夫と笑った。
でも僕は気付いてしまったんだ。
彼の目が、笑っていない事に。

「ーーーーよし、とりあえず皆OKか？俺外に戻んで」

あちこち見たり触ったり読んだり、やっとやる事がなくなったようで早々にこの部屋を退場した。

この先、どうなるのだろうか。