スカブロ世界のイレギュラー【wrwrd】 (ページ6)

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攻略4日目ページ6

『えっ、と…Aです…ここどこなんですか？』

相手が名を名乗ったのだからこちらも返すのが礼儀。
流れに沿うように名を返して1番気になっている事を聞いてみる。

「お前知らんのか？ここはスカイブロック言うて、仮想空間や」

仮想空間。
つまり自分のこの体は創られたものであり、実体は別にあるというのか。
それならばなぜ自分はここにいて、何も覚えていないのか。

「でもおかしいなぁ、この世界を創ったんは俺らの仲間で、この世界に入るにはそいつの許可が必要なんやけど…」

お前どこから来たん？

ゾムさんのその一言と共に四人から溢れ出る殺気。
何だこの人達…今時の人間はこんなにも殺気というものを放てるものなのか。

『し、知らない…わからないんだ…目が覚めたらここにいて、独りぼっちで…怖くて…どうしてここにいるのか、なんて…自分自身が一番知りたい…』

両腕を抱き締めて縮こまり震える自分に彼らは何を思うだろうか。
彼らの仲間が創ったというこの世界でいるはずのないイレギュラーな存在。
排除されたり…するのかな。

「……んー…わからんのやったら仕方ないわなぁ…記憶とかないん？せやったら記憶を取り戻すか、Aが何者かわかるまで一緒に行動しようや」

ゾムさんの声を皮切りに、せやな、うんうん、と頷く一同。

『…消されない…？』

押し潰されそうな不安に、つい心の声を零してしまう。
アッハッハッ！と一際大きな声で笑うコネシマさん。

「消すも何も、この世界じゃ死ねへんしなぁ！」

…死なない、だと？
くつくつと笑うその他三人も「せやなぁ」なんて言うのだから本当なのだろう。

「例えば………こんな風にな！」
「ぅわああぁあゾムさんんんんんんっ！？？」

いつの間にか鬱さんの横に移動していたゾムさんが、鬱さんの足元を削る。
そしてそのまま、奈落の底へと姿を消す鬱さん。

『ーーーーーっ！そんなっ！！』

顔を青くしてその穴に駆け寄り中を覗くももう遅い。
彼の姿は既に暗闇に飲み込まれてしまって何も見えない。

『っ、アンタ！何してっ、何考えてんだ！！』

立ち上がった勢いですぐ横に立ち穴の中を呑気に覗き込むゾムさんの胸ぐらを掴む。
アンタ達の仲間だろう。

「ちょちょちょちょ、ちょっと待ってぇや！言ったやん死なへんって！」

あまりの慟哭っぷりに焦っているらしいゾムさんは両手を上げ降参のポーズをしながら僕を宥める。