スカブロ世界のイレギュラー【wrwrd】 (ページ17)

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攻略14日目ページ17

あれから少しして、何回か数人がリスポーンしながらも再突入を図ったりしたけどもレベル不足だったようで、最後にはみんなボロボロの状態で帰ってきた。
ゾムさんとかトントンさんとかコネシマさんとか普通に強そうだけども、この世界はそんなもの無力に近いようだ。
レベルが絶対だとか。

「うわ、お前よくこんな集められたなぁ」

大きなチェストを開いて中を覗いたゾムさんが驚愕した声で言えば、何だ何だとそこに群がる4人。

「うわほんまや！羊毛も雪玉も凄いある！」

少しばかり作業に慣れたおかげか、いいペースで回収出来たのは事実。
褒められた事が嬉しくて照れちゃうけども胸を張ってみる。

『集めるの楽しくて手が止まらなかったんだ』
「Aさん凄いな、1人待ちぼうけなんてつまらんやろなぁ思ってたんやけど」

ロボロさんは優しい人だ。
挨拶した時も思ったけど、喋り方もほんわりしてるし笑顔も柔らかい。
今だって、1人取り残された僕の心配をしてくれた。

『いえ、僕がついて行ってもやれる事ないですし。でもここにいればこうやってみんなの役に立てるから』
「そうか…」

ありがとなぁ、なんて嬉しそうに笑うロボロさん。
顔は見えないけど、その身長も相俟って可愛らしい雰囲気だ。

わしも手伝う、なんて言ってくれたロボロさんと羊毛を刈っていた時だった。

「ゾムさん上行きますー？」

みんなそれぞれにチェストを漁り手荷物を整頓してから次はどこに行こうかとの話になったようで。
鬱さんが言っているのはこの羊島の真上にある小さな島だ。

羊毛で階段を繋げて変な歌を歌いながらそこへ辿り着いたゾムさんがネザースターを見付けたらしい。
ネザースターと言うのは経験値の塊だと教えて貰った。
みんなまた強くなるのかーと思いながら上を見上げていたら、ロボロさんを呼ぶ鬱さんの足元が急に消え、彼が落ちてくる。

「よし！今だ！」
「野郎！！」

叫ぶ鬱さんを見れば、どうやらまたゾムさんが落としたようだ。
大変だなぁと苦笑していたら、いきなり自分の体の周りがキラキラと一瞬光った。

『…ぇ？』

少しばかり、体の中に熱を感じる。
なんて言うんだろう、熱いとかじゃなく、温かい…。
他の人を見ればゾムさんとロボロさんがこちらを見ていた。

「…Aさん、レベル上がったんとちゃう？」
「お前、レベルがあったん？」

二人とも目を見開いて驚愕の表情感情を隠せないようだ。
どうやら僕のレベルが、1上がったようだ。