スカブロ世界のイレギュラー【wrwrd】 (ページ16)

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攻略13日目-rbr side- ページ16

「どう思う、ロボロ？」

イカ島の消火活動しながら大先生が問い掛けてきた。
言わなくてもわかる、Aさんの事や。

「やっぱりわしあんなんプログラミングしてへんで」

無力の中立NPCなんて役に立たんもん作るはずがない。
まずAという存在を作ってへん。

「悪いヤツやないとは思うねんけど…」

あの人に一番気を許しているであろうゾムが居心地悪そうに呟く。

遠くに居ても全員に繋がるよう設定した通話プログラムでそれぞれ作業しながら会話を進める。
このプログラムはAさんにも適応されるみたいやから、あの人を除いての設定。
これもおかしい。

「プレイヤー以外の通話プログラムの適応、FFプログラムを消したのに触れるAさん…わしからしたらおかしいとしか言い様がないで」

コイツらすぐ内ゲバするもんで攻略進まんからFF機能を消した。
せやからわしらは誰一人として他のプレイヤーに触れることは出来ひん、通り抜ける。
先程ゾムはあの人の頭を撫でとった。
それはもうくしゃくしゃと。

「本当に職業もってへんのやな？」
「おん、スキル設定所で設定用看板触らせたけど、なんもなかったみたいや」
「まぁそこら辺は別に嘘つけるしなぁ」

この中で一番警戒してるであろう人物は、まさかの大先生。
あの人の前ではにへらにへらしとるけど、存在も情報も、あの人に関して分かった事を何もかも外の世界におったわしに流してくれたんは彼や。
ほんま掴めん男やで。

「俺は、今だって俺らのために一生懸命羊毛や雪集めしてくれとるAを疑いとぉない」
「せやけど、万が一も億が一もあるかもしれへんねんで。全開気を許すんは危険やで」

やはり警戒心が高いだけあるトントンも、あの人に関して疑いを捨てきれないようや。

「とにかく、わしも来たんや。そこらかしこおかしいとこないかよぉ確認するし、とりあえず今は中立NPCやと思って仲良おしとこうや」

わしの言葉にそれぞれいろんな感情を重ねた返事をする。

だが確かに信じ切るのは難しい。
あの人がNPCやとしたら、どこから出てきた？
あの人がプレイヤーやとしたら、どこから入ってきた？

謎が多すぎて全く頭ん中のピースはハマりそうにない。
もう少し、様子を見させてもらうで。