攻略12日目 ページ15
態勢を整えに来た、と帰ってきた彼らはそれぞれに宝箱…チェストと言うらしい…を開けて中身を探っている。
「なんやA、羊毛集めてくれとったんか。めっちゃ気ぃ効くやん!」
僕がいくつか詰め込んだ羊毛を見てゾムさんに褒められた。
わしゃわしゃと頭を撫でられる。
子供になったみたいで少し恥ずかしい。
ロボロさんがこちらを見ていたから、更に恥ずかしくなった。
『他にも何か必要なものはあります?』
褒められた事に気を良くした僕は、他にも出来る事がないか聞いてみる事にした。
ゾムさんのスキルは雪玉を使うらしく、たくさん欲しいと。
羊毛も、たくさんあって損は無いと。
頼んだで!と笑顔でまたガスト島に向かう彼らを見送る。
戦いに行くのに笑顔とは、なかなかに頼もしい。
まぁ彼らにはゲーム感覚なのだろうけど。
それからはまた、彼らの悲鳴やら笑い声を聞きながら作業を始めた。
羊を狩っては湧いてくるまで雪集め。
戦っている彼らのためになる資源。
それを僕が集めているのだと思うと嬉しくなる。
頑張ろう。
ーーーーー
ゾムさんの叫び声を聞いたのが最後、ガスト島の攻略を諦めたようだ。
結構な回数死んでいる気がする。
それほどに難しい場所だったみたいだった。
「ふふっ…あの〜皆さんちょっといいですか?」
不意に鬱さんが笑ったかと思いそちらを見れば、どこかを見つめていた。
「イカの足見てください」
そう言われて、鬱さんが見ている方を見ると…ガスト島の斜め奥、更に上の方にある浮島が燃えていた。
同じく見上げていた4人も爆笑している。
「やられてんなぁイカ」
「やばいんちゃう?燃え尽きるで」
焦ったようなセリフだけども笑っているせいで緊張感がない。
彼らの辞書に緊張という文字があるのか知らんけど。
どうやら次はあの燃えているイカ島に行く事に決まったみたいだ。
間に合うか?と言い合う彼らに、ゾムさんからの「大丈夫、行ける」。
それに後押しをされるように、また5人が走り出した。
勿論残された僕は、彼らの無事を祈りながら羊毛と雪をかき集める事しか出来ない。
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零来 - レ、レベルがっ!レベルが1上がりましたよ!………すみません、落ち着きました。更新頑張って下さい!応援してます!! (2019年3月26日 16時) (レス) id: 3c38dcb0f2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:nia | 作成日時:2019年3月1日 18時