スカブロ世界のイレギュラー【wrwrd】 (ページ12)

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攻略10日目ページ12

だから気持ち悪いんだってば！！
ゾムさんが叩き壊した石から出てきた変な生き物。
四人と一緒に戦っている鬱さんの召喚したカボチャ顔の雪だるま然り、この世界の生物はどうしてこんなにも気味の悪い姿形をしているのか。
本当に創造者の顔を見てみたい。

それほど苦戦する事なく戦闘が終わり、宝箱に群がり漁り出す四人。
どうやらそれなりにいいものが入っていたらしい。

それから鬱さんが羊小屋で羊狩りをしながらスキルについて話してる時だった。
ふらっとゾムさんがどこかに行ったと思ったら、チリリンというような小さな音が聞こえてきた。

「え？」
「え？」
「え？」
「んな？」

この人達の会話は本当にテンポがいいなぁ。
練習しましたか？ってほど被る事なく一人一人順番に声を発する。
コネシマさんだけ変な声だったのはもうそれが当たり前のように感じるくらいだ。

「ちょちょちょ、ちょっと待ってぇ！」

ゾムさんって結構笑い上戸だよね。
ふっふふふふぅ！と独特な高い声で笑うゾムさんに周りの疑問が飛ぶ。
何が起こっているのか僕もよくわからない。

「植木鉢破壊したらネザースター出てきた」

ネザースター…また知らない単語。
なんなんだろうと思うも楽しそうに会話を続ける彼らに割って入ることもできない。
また今度聞いてみようか。

「てか、エンダーマンおらんくなった」

エンダーマン？
やだ、知らないことが多すぎてハテナしか浮かばない。
エンダーアイと関係しているのかな。
名前からしてエンダーアイの持ち主？

「大先生、これがエンダーマンの、真の動きや！」

見ろ！とばかりに何かを手に翳して走り出すゾムさん。
その動きは人の動きを逸脱していた。
ゾムさんが口で言ってるのか、あまりにも早い動きで風が哭いているのか、シュシュシュシュと聞こえる。

「うわああああぁはあああぁぁあ！！」

動き回る影と風が無くなったと思った時、響き渡るゾムさんの叫び声。
まさか。

「お、これは？」

動きを制御出来ず、奈落に落ちたらしい。
生き返ると知っていても、誰かが死ぬのを見るのは心臓に悪い。

「いやー、踏み外したわー」

本人は、制御出来ひんなぁと笑いながら還ってきたけど。
その後は説明に時間を割いてもらった。
遠くでも声が鮮明に聞こえるのはやっぱりそういうシステムらしく、切ったり付けたり、特定の誰かに絞っての交信も出来るのだとか。
敵もいるらしい。
むしろ敵しかいないらしい。
この世界でやっていけるのか不安だ…。