33話 ページ35
『ちゃいますやん、私が先輩の後輩だという事実はもちろん変わりませんよ。問題はそこじゃないです』
「何が問題なんやねん！なんもありゃせんやろ！」
『あるから言ってるんです』
「なんやねんハッキリ言うてみぃや！」
『あぁもうさっきから耳元でキャンキャンうるさい！黙って最後まで人の話を聞いてくださいよ！』
バンッ！とテーブルの端を両手で叩いて膝立ちなり、これじゃ話にならない！と思わず声を荒らげてしまった。
先輩に対して初めて怒鳴ったであろう私に「す、すまん…」とたじろいでいる彼。
『私はアンタ達のファンの一人なんです！私の他にもたぁーーーっくさんいます！
アンタ達に会いたいと願う人も、話したいと願う人も中にはいるはずです！
それなのに！メンバーの一人がたまたま先輩だったからって成り行きでその他のメンバーに接触出来ちゃうなんて他のファンの方々に申し訳ないと思っちゃうでしょう？！
ゾムさんとシャオロンさんに名前呼ばれちゃったよ！？
ショッピくんのバイク乗ってショッピくんに抱き着いちゃったよ！？
何人か本名知っちゃったよ！？
「ちょっと待て抱k」
話を遮るな！黙って聞いてください！
こんなのただのいちファンに有るまじき夢物語だ！
私はネットの隅っこでひっそりと生放送してるだけのただの我々だ!ファンです！
あっちゃならない事なんです！』
ある程度叫ぶように言い放った事で日頃の鬱憤も多少解消してしまった。
私を見上げる彼は若干私から離れてゾムさんの方へと下がっている気がする、それでも男か。
「せ、せやって…後輩に友達紹介するんの、何が悪いんや…」
その友達が特別な友達だから悪いんですよ。
いやもう私が我々だ!を知ってしまったから悪いのか。
ファンになってしまったから悪いのか。
わけわからなくなってくる。
俯いて呟く先輩とそれを肩で息しながら見下ろす後輩、困惑やら驚愕やら戸惑いやらいろんな表情を浮かべて見守る男達。
…絵にし難い光景だろう。
憧れの人達に会えて嬉しくないわけがない。
皆さん本当に優しいし、めっちゃイケメンだし、マイクを通して聞くよりいい声だ。
普通に過ごしていたら知らなかった事実がたくさん。
動画の世界しか知らず、リスナーさん達とあれこれ話して妄想して揶揄われるのが楽しかった。
知ってしまった今、これまでのように純粋な気持ちで楽しめるだろうか。
「……話は終わったか？」
ほら、この人はこんなにも楽しそうに話す。
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青い矛盾 - 題名に引かれて来ました！すごい面白かったです！！即続編に走りますε=(ﾉ･∀･)ﾂ (2019年4月15日 7時) (
レス) id: 10fd6c1f88 (このIDを非表示/違反報告)
nia(プロフ) - Toruko さん» 内容と共に、趣味で描いている絵の方までお褒めいただけるなんて嬉しさ至極の極みです(泣)ありがとうございます！ (2019年3月2日 23時) (レス) id: 2a4204c7ec (このIDを非表示/違反報告)
Toruko - 絵ステキって思って見てみたら内容もステキ。神ですか、好きです！！！！ (2019年3月2日 21時) (レス) id: 96e095864b (このIDを非表示/違反報告)
nia(プロフ) - とうふさん» あああありがとうございます！心無いけど優しいシマさんをどう描こうか毎回悩まされます…彼らしさが無くなってなければいいのですが(汗)よろしければこれからもうちのシッマさんをどうぞよろしくお願いします！ (2019年3月2日 14時) (レス) id: 2a4204c7ec (このIDを非表示/違反報告)
とうふ(プロフ) - えええシッマ最高すぎません...？？マフラーのくだり最高にきゅんきゅんしました大好きです....！！ (2019年3月2日 13時) (レス) id: 492d52f663 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：nia | 作成日時：2019年2月26日 13時
