29話 ページ31
というか、なんの集まりなのだこれは。
緑谷さんと、えーと…色素の薄い人がいるという事は同級生の集まり、プチ同窓会？
いやでも紫瀬くんと呼ばれた彼は年下に見える。
先輩の後輩と言ってたし。
会社の飲み？
いやでも何故私が呼び出されたの？
見慣れない人達に囲まれ小さく縮こまる。
「あっはっは！何お前猫かぶっとんねん！」
『いっ！…た…』
そんな私の様子に大笑いしながらバシィッと背中を叩いてくるクソ男。
猫かぶってるわけじゃないっちゅーの。
アンタ私の人見知り知ってるだろが。
じとりと横目に先輩を睨むけど当の本人は素知らぬ顔で唐揚げに箸を伸ばしている。
「お前何食う？」
『いらないです』
「唐揚げうめぇぞ食えや」
ご飯を食べに来たわけではない。
ハッキリと断ったはずなんだけどな、取り皿に取り分けられた唐揚げが一つ目の前に置かれる。
こんな状況で喉を通るわけないでしょうが。
正直周りを見れない。
どんな人がいて何人いるのかもよくわかってない。
それは緊張ももちろんなんだけど、見てしまったのだ。
紫瀬さんが襖を開けた時、すぐ目の前に座っていた人物。
見てはいけない、踏み込んではいけない、脳が危険信号を出す。
「Aちゃん酒飲むん？」
「いやこいつには飲ませんで。紫瀬、烏龍茶頼んでくれ」
「わかりました」
また勝手に人の注文する…とは思うけど先輩がする私対象の注文に外れはないからまぁ良しとしてる。
外れって注文は大抵意味のわからない新メニューとかワサビ入りシュークリームなどのロシアンルーレットみたいな罰ゲームメニューとか…とても意地の悪い顔して頼んでくれる。
『いやほんと…お気になさらず…』
「大丈夫ですよ、猫島さんの奢りっすから」
注文するためのタブレットを手にした紫瀬さんに俯きながら断りを入れるが何食わぬ顔で操作され、ピピッと注文が確定したらしい音が鳴る。
そうか、猫島先輩の奢りなら、まぁいいか。
紫瀬さんに自分と近い何かを感じるんだよね、気が合いそうだ。
なんで俺が奢んねん！って右隣が喧しい。知らんけど。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 466人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
青い矛盾 - 題名に引かれて来ました！すごい面白かったです！！即続編に走りますε=(ﾉ･∀･)ﾂ (2019年4月15日 7時) (
レス) id: 10fd6c1f88 (このIDを非表示/違反報告)
nia(プロフ) - Toruko さん» 内容と共に、趣味で描いている絵の方までお褒めいただけるなんて嬉しさ至極の極みです(泣)ありがとうございます！ (2019年3月2日 23時) (レス) id: 2a4204c7ec (このIDを非表示/違反報告)
Toruko - 絵ステキって思って見てみたら内容もステキ。神ですか、好きです！！！！ (2019年3月2日 21時) (レス) id: 96e095864b (このIDを非表示/違反報告)
nia(プロフ) - とうふさん» あああありがとうございます！心無いけど優しいシマさんをどう描こうか毎回悩まされます…彼らしさが無くなってなければいいのですが(汗)よろしければこれからもうちのシッマさんをどうぞよろしくお願いします！ (2019年3月2日 14時) (レス) id: 2a4204c7ec (このIDを非表示/違反報告)
とうふ(プロフ) - えええシッマ最高すぎません...？？マフラーのくだり最高にきゅんきゅんしました大好きです....！！ (2019年3月2日 13時) (レス) id: 492d52f663 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：nia | 作成日時：2019年2月26日 13時
