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25話 ページ27

「おう、そいつ俺の後輩や!後ろ乗っけてもらい!」



先輩の名前を出されたと言えど心の底から安心は出来ない。
そんな私の疑心を感じ取ったのか目の前の彼はライダースのポケットからスマホを取り出しどこかへ電話をかけているようだ。

「猫島さん?はい、合流しました。けどやっぱ怪しまれてるみたいなんで警戒解いてもらっていいですか?」

猫島と言ったな。
通話の先には先輩がいるのか?
つい、とそのまま彼のスマホを差し出される。
画面にはクソ先輩と文字が浮かぶ通話画面。
……んん?

とにかく差し出されたまま引っ込める気配のないそれを恐る恐る受け取り、目の前の男性をちらりと見れば頷かれたので耳にあてる。
そこで冒頭に戻るのだ。

「て事なんで」

あれは確かに先輩の声だ。
アイツ本当に後輩使い荒いなぁ。
だからクソ先輩なんて登録されるんだぞ、私もそれしたい。

「バイク乗った事あります?」

頭からゴーグルとヘルメットを外しながら問い掛けてくれる彼に、ふるふると首を横に振る。

「上着、前閉めてください。凍えますよ」

外したそれらをハンドルに引っ掛けてライダースのチャックを下ろしている。
何してるんだと気になるも、言う通りに自分のブルゾンのチャックを閉める。
彼に視線を戻そうと顔を上げれば、目の前に突き出された見覚えのあるマフラー。

『う、ぇ…?』
「猫島さんから預かりました。多分薄着で来るだろうから渡してくれって」

先輩私の事理解し過ぎだって…私の事大好きかな?
寒いのは確かなので有難く受け取る。
ぐるぐると自分の首に巻き付けると先輩の匂いに包まれる。
あれ、前にもこんなことあったな。
てか変態か私。

これで準備OKだと今度こそ彼を見上げたら、ほんの少しだけど複雑そうに歪められた顔。

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青い矛盾 - 題名に引かれて来ました!すごい面白かったです!!即続編に走りますε=(ノ・∀・)ツ (2019年4月15日 7時) (レス) id: 10fd6c1f88 (このIDを非表示/違反報告)
nia(プロフ) - Toruko さん» 内容と共に、趣味で描いている絵の方までお褒めいただけるなんて嬉しさ至極の極みです(泣)ありがとうございます! (2019年3月2日 23時) (レス) id: 2a4204c7ec (このIDを非表示/違反報告)
Toruko - 絵ステキって思って見てみたら内容もステキ。神ですか、好きです!!!! (2019年3月2日 21時) (レス) id: 96e095864b (このIDを非表示/違反報告)
nia(プロフ) - とうふさん» あああありがとうございます!心無いけど優しいシマさんをどう描こうか毎回悩まされます…彼らしさが無くなってなければいいのですが(汗)よろしければこれからもうちのシッマさんをどうぞよろしくお願いします! (2019年3月2日 14時) (レス) id: 2a4204c7ec (このIDを非表示/違反報告)
とうふ(プロフ) - えええシッマ最高すぎません...??マフラーのくだり最高にきゅんきゅんしました大好きです....!! (2019年3月2日 13時) (レス) id: 492d52f663 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:nia | 作成日時:2019年2月26日 13時

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