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Side TY
戦略チームの反応は、かなり好感触だった。
会社の人たちにはステージの完成度をかなり評価されていて、あとは再生数と、シズニ達の反応次第といったところらしい。
彼女の宿舎を取り囲んでいたアンチなのか興味本位なのかわからない人々について報告すると、事務所もその件に関しては把握しているようだった。
《おそらくだが…体格や声から性別を隠しきれない部分があるせいだと思う。思ったより早く勘づいた人達が実際に見て確かめようとしているんだろう》
社員の1人が言った。
ネットでは、ノナが女性なのではないか？という疑いの声が徐々に上がっている。
TY「それは…」
隠しきれないせい、ではない。
事務所が性別を隠しているせいだ。
被害者は騙されているシズニでもあるし、苦しみながら隠し事をしているAでもある。
TN「…」
テンも僕も、何も言葉にできなかった。
もう僕たちは事の一端を担ってしまっているのだ。
《よろしく頼むよ、うまくいけばノナは起爆剤になるだろうから》
———
——
—
TN「今日のノナのステージ、ヒョンはどう思いましたか？」
楽屋へ戻る最中、何の脈絡もなくテンがそう言った。
聞かれて思い浮かべるのは、いつもと違う光のないノナの瞳。
“表情は乏しいけれど瞳の奥が輝いている”
それが初期のAに対して僕たちが抱いた印象だった。
最近では表情も柔らかくなってより人間らしく、より魅力的になっていたのに。
今日の一糸乱れぬパフォーマンスと引き換えに、彼女は輝きを手放してしまったのだろうか。彼女が纏っていた小さな宇宙の煌めきは、何も存在しない真っ暗闇へと変わってしまった。
TY「うーん…」
テンはきっとそのことを言いたいんだろう。誰よりも彼女を大切に思っているテンが気づかないはずがない。
TN「テンは、ノナが怖かった…」
隣を歩く彼の声はいつもと変わらないトーンだ。
TN「ダンスも歌も完璧だったし、表情も良くて、ノナのオーラが空間ごと全部飲み込んじゃうんじゃないかってくらいで」
TY「うん。多分殆どのアンチを黙らせられると思うよ、放送後」
TN「でもAがすり減ってるような気がして。うまく言葉にできないんですけど…。あのスタイルのまま行ったら長く活動はできないんじゃないかと思います。なんか、いつもと違ったんだよなぁ…」
何が彼女をそうさせてしまったのか。この変化が吉と出るか凶と出るかは、まだ判断しかねる。
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柊(プロフ) - ももさん» ありがとうございます（ ; ; ）とても励みになります…！ (2023年1月21日 23時) (
レス) id: a5081d8636 (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - 最初からイッキ読みしちゃいました！！めちゃめちゃ面白いです！ (2023年1月6日 16時) (レス) @page12 id: b796448ecc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柊 | 作成日時：2022年10月21日 8時
