…第参幕… ページ6
「で、でも、何故神の間とは少し違うってのがわかったんだい？」
すぐさま話題を変えようと、声を裏返しながら焦って問いかけてくる様子に
本当に神様って羽むしられるのに弱いんだ、なんて考えながら質問の答えを返す。
「だって、この場で貴方が絶対って感じがしないから。即席で作った空間だからとか
なんか理由はあるのかもしれないけど、貴方権限の空間って感覚がまったくないから神の間とは違うかもなって思ったの」
自分の感覚を信じたのと、経験則だよね。実際経験したのは今が初めてな訳だけれど。
「…とりあえず、そこも含めて説明してもいいかな」
私の相手は今までと勝手が違う。と感じたのか、今度は説明を私の返事を待ってから始める事にしたらしい。邪魔しちゃったし当然かな、とも思うけれど、なんとなく感じていた威厳という物の数値が大幅に下がったのを感じた。
「…いいですよ」
私の返答に、説明を始められる。と安堵したのか焦りが消え、普通に説明を始めた。
｢さっき君が言ってた通り、ここは完全な神の間とは違うんだ。
ここは正確には君の夢の中。僕は夢を間借りしてる状態、そして何故僕が君の夢にお邪魔してるかっていうと、理由は世界渡りの鍵にある。｣
世界渡りの鍵。額面通り受け取るならば、世界を渡るための鍵ってことか？
「そう、ものとしてはその通り。それで何故、その世界渡りの鍵のこととはいえ
君の夢の中に来ないといけなかったかっていうと、一様に”鍵”といっても形のないモノでね。
…細かく説明していくのも時間がかかるから、要点絞って一気にいくよ。
世界渡りの鍵というのは人々の夢が集まって造られた幻の鍵なんだ。
人から人へ一定の条件にそって運ばれる鍵で、物としての形は無いし
稀に条件を無視して強い思いに引かれて来る場合もある。
その鍵にも色々あって、鍵の種類や使用回数によって、もしくは元から条件が枷されてるものもあったりするね。
その鍵が、今君に廻ってきてるんだ。この鍵は本人の想いの内からじゃないと扉が開けなくてね。
君の夢にお邪魔してるのはそういう訳。
…だから出来得る限り望む世界に連れて行ってあげるよ」
矢継ぎ早に言葉が飛んできて焦ったが、要約するとつまり。条件やら枷付きで行きたい世界に行けるよ！ってことか。
「やっぱ、完全に望み通りってわけにはいかないか」
そりゃそうだよね、空想みたいにそんな都合のいい話あったら苦労してない！って思うし。
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。 - 文才がすごいですね！引き込まれるような作品で、今まで見たことのない、新しいトリップものかなーと思いました。とても面白かったので、次の更新を楽しみにしています。 (2017年4月14日 16時) (
レス) id: f3711a96f0 (このIDを非表示/違反報告)
総ちゃん - 不思議な作品に釘付けでした！続きが気になります！更新頑張ってくださいね(*￣▽￣)ノ~~ ♪ (2016年10月5日 8時) (レス) id: 725f51c669 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：刹那 帝 | 作成日時：2013年6月1日 23時
