…第弐幕… ページ5
金の装飾の施された、白いシルクのローブの裾を揺らし
私の瞳をじっと見据える。
「神様…？」
確かに雰囲気の中に神秘的なものを感じる、しかし突然現れて神様だなんて名乗るイケメンの信頼度なんて、私の中ではある可能性を除いてゼロだ。
そして今居るこの白の空間、それがその可能性を強く感じさせた。
「…君の思ってる異世界転生とは少し違うけど、似たような物だよ」
さらりと心の中を読んでくる目の前の青年の姿をした神様(仮)。
…そう、そっか、へぇ。
今まで考えていたよりも冷静に物事を見ている自分に驚く。
こんな事実際起こったら、声出なくなるくらいのパニック起こすだろうなぁって思ってたんだけど。
案外対応力強いとか？自分の中で把握しきれてないだけの気もするけど。
「似たようなものだけど違うって、どういう意味なんです？」
「まぁ、まずは色々と説明をさせてほしいな」
有無を言わせないどこか威圧感のあるほほ笑みで制してから、青年は説明を始めた
「まずここは神の間、でしょ。正確にはちょっと違うかもしれないけど」
目の前の事実を言うならば、始めようとするのを遮って思ったことをぶっこむ。
冷静は冷静だけど、ちょっと期待を抑えられなかった部分があったのは認める。
「どうして知ってるのかって顔だけど、心を読んだのなら何故そう思ったかわかるんじゃないかなぁって。」
もし合ってて驚いてるなら敢えて言おうか？異世界転生系小説はしごして出直してこいや。
とまぁ、結構失礼な事言ってるけど、声には出してないからセーフという事にしておいてよ
「…そういう知識、結構持ってるんだね」
青年は少し驚いたような表情を見せたものの、次第にどこか不安そうな、今にも逃げ出しそうな様子に変わってゆくが、何とか踏み止まり平静を装っている様子だった。
思考を読んだのだとすれば、もしかして羽根を毟られるとでも思ったのだろうか？
自分は羽なんて出してないくせに。心配性なのか、それとも仕舞っているのを忘れている天然さんなのか…。
「一時期、そんな世界に魅入られていた時期があったんですよ。当時小さかった私にもわかりやすく面白いし、読んでる側に近い考えや書き方だから共感も持てたし」
あれらの作品が今の私の性格を構成したものの一部と言っても、過言ではないだろう。
10代に見たり聞いたりしたものって、本人に多大な影響を及ぼすものだから
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 29人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
。 - 文才がすごいですね！引き込まれるような作品で、今まで見たことのない、新しいトリップものかなーと思いました。とても面白かったので、次の更新を楽しみにしています。 (2017年4月14日 16時) (
レス) id: f3711a96f0 (このIDを非表示/違反報告)
総ちゃん - 不思議な作品に釘付けでした！続きが気になります！更新頑張ってくださいね(*￣▽￣)ノ~~ ♪ (2016年10月5日 8時) (レス) id: 725f51c669 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：刹那 帝 | 作成日時：2013年6月1日 23時
