2話 ページ2
ストップウォッチを首からぶら下げて、キャップを被って準備万端。皆が列に並びだしたので、小走りで向かう。
皆、いつも通り準備運動をして、グラウンドの外周をひたすら走る。とはいっても私は後輩だし、応援というより雑用がメイン。高1のマネージャーは私だけだしね。高2のマネージャーは３人。いわゆるキラキラ系の華やかな先輩。小柳津先輩とかがいつもくっついてるイメージ。
部室で１人、大量の洗濯物をしながら考える。悔しいけど、なんか分かるんだよなぁ。嫉妬とかじゃなくて、私が男だったら、ああいう華やかな人に惹かれそうだもん。
可愛くて、キャピキャピしてて、オシャレで。そうなりたいとはおもわないけど、なんか…ねぇ？
洗濯物を干すため、洗濯籠を抱えて部室から出る。丁度外周を終えたところだった。待ってましたと言わんばかりに、高３の先輩がスポーツドリンクを持って、満面の笑みで部員に駆け寄る。
…福尾先輩も、やっぱりあんな感じが好きなのかな。別に、いいけど。
ちらりと目をやれば、福尾先輩がドリンクをもらったのは西内先輩からだった。
西内ふうか先輩。アイドルなんですか？ってくらい可愛くて、スタイル抜群で、華やかで。いつも目立ってて、学園のマドンナ的ポジション。
私とは、全然違う。
なんだか惨めになって、再度洗濯物に取り掛かる。今日は比較的数が少なくて、さっさと切り上げて先輩マネージャーに報告。
「先輩、洗濯終わりました。」
西内「あ、お疲れ〜！いつもありがとね、ほんとAちゃん頼りになるわぁ」
「そんなそんな…」
西「私、Aちゃんの謙虚なところホントに好きだよ〜」
「…あ、ありがとうございます」
こういうトコロなんだろうな。なんていうんだろう、キャラを作ってるのかは知らないけど、私みたいなのに対しても、こういう対応してくれるの。そりゃモテるわ。
西「今度、一緒に遊びに行こうね？」
「わ、楽しみにしてます」
西「ふふ、じゃあまた後でね〜」
先輩はほっそい腕をひらひらと振って、小柳津先輩にドリンクを渡しに行った。
西内先輩は悔しいくらいに可愛くて、女の私でもグッと来そうになる。だって可愛いんだもん。
彼女がいる方をもう一度見れば、小柳津先輩がデレデレしてるのが見えた。鼻の下伸ばしちゃってさ。
なぜか不安が胸に押し寄せたその時、頭に浮かんだのは福尾先輩だった。
その理由を認める勇気は、私にはまだ無かったのかもしれない。
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かのい(プロフ) - じつさん» ありがとうございます！ (2019年6月8日 10時) (
レス) id: 1702f55027 (このIDを非表示/違反報告)
じつ(プロフ) - かのいさん» 固定になっていましたか！申し訳ないです、直ぐに修正させていただきます、いつもありがとうございます！ (2019年6月8日 7時) (レス) id: 886d351a0b (このIDを非表示/違反報告)
かのい(プロフ) - めちゃくちゃキュンキュンします！名前は固定なんですか？できれば固定じゃない方がいいです… (2019年6月8日 0時) (レス) id: 1702f55027 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：じつ | 作成日時：2019年4月23日 22時
