【男主】人質はっぴーらいふ【ﾜﾝﾋﾟｰｽ】 (ページ1)

今日:1 hit、昨日:4 hit、合計:22,048 hit

#1 ページ1

【夢主side】

今日も海は澄んでいて、地平線が輝いて見える。

こうしてただ、ぼーっとしてる時間が1番好きだ。

鼻先をかすめる潮風が心地良い。

俺は下っ端海兵、A。

勉強が嫌い、運動はもっと嫌い。

好きな物は海。泳ぎは得意じゃないけど人並みに…

…お？

前方に船を発見。

…んあ、海軍だわ。

俺のお迎えかな？

｢うぉーい、前方に海軍の船が見えるよー、俺のお迎えかなー？｣

なんて、ちょっと声を張ってみると、船の中がざわつく。

｢おい野郎共！！！絶対奴を返すんじゃねぇぞ！！！｣

荒々しく叫ぶ大男。

｢｢ウォォォォオオ！！！｣｣

…達。

男達は戦闘態勢につく。

コツ…と靴音を響かせて俺の隣に立つさっきの大男。

｢船長ってもっとどかっと構えとくもんじゃないのぉ？キラーのがしっかりしてんじゃn｣

言い終わる前に頬を抓られる。

｢あァ？うるせぇ。テメェも“仕事”しろ｣

｢…あいあいきゃぷてーん｣

このチューリップ頭め…

口に出したら流石に殺されるので言いませんけど。

すぅ…と深呼吸をする。そして

｢助けえくれぇ…！！！｣

向こうの船に向かってめいっぱい叫ぶ。

｢？！…例の人質にされた下っ端か？！｣

そーですそーです、この間任務中、部隊が自分以外全滅、応援呼ぼうとしたらここの船長に見つかったモブ野郎ですー。

｢オラッ逃げんじゃねぇ！｣

船から身を乗り出して助けを乞う俺の首根っこ引っ掴んで船内に入るのはこの船のキャプテン、ユースタス・キッド。

まぁこれは見て分かると思うけど全部芝居。

人質になったのは本当だけど、なんか、仲良くなっちゃって。

俺の海に対しての知識もかってくれてる。

別に海兵にこだわりがある訳でもないし、いいかなぁなんて。

それで、海で海軍に会っちゃった時、人質“役”のお仕事をするわけです。

…でもさぁ？

｢船長自らこの茶番に参加してるのなんなの？｣

別にアンタが動かなくても他にいるじゃん、ヒートとかワイヤーとか。

キッドは少し黙って、

｢テメェは黙って仕事してりゃいいんだよ｣

っていいながら俺の頭を無造作に撫でる。

…撫でるっていうか髪ぐしゃぐしゃにする感じだな。

｢はいはい、仰せのままにぃ｣

そう言い捨てて、俺は自室へ向かった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー