40-ねぇ楽しく行こうよ ページ40
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私物はこの際諦めよう、教科書は無くしたか破れたと言おう。
おじ様、先生、ご迷惑お掛けします！
広い背中をAが思いっきり叩き足を上にあげる。
「え？」と気の抜けた声に無事地面に着地するとAは猛ダッシュで廊下を走る。
鏡！！鏡があれば！自由に行き来できる！
何度も曲がり角で転ばないように細心の注意を払って体の軸を行かし助走をつける。
だが長期戦は厳しい、所詮男と女の体力じゃ目に見えている、とAは図書館の看板を見つけ急いでドアを開け入る。
入る直前に廊下を見ると楽しそうに「どこ行くの〜！」と笑顔の男が一人追ってきていた。
もう1人の姿は確認できなかったがAは図書室に入り1番奥へと走る。
そして辿り着き急いで窓を開けようとするが手が震えて鍵穴がガチャガチャと音を立てるだけだ。
やっとの事で鍵を外し逃げる為にと窓を開けようとした瞬間だった。
バン！と勢いよく閉まる窓に後ろから感じる気配。
ひゅっと喉が鳴った。
「つ〜かま〜えた…」
うるさい心臓は走ったせいだ、汗も…汗……！
やばい！とAは振り返るが胸板があり顔を恐る恐る向けると恐ろしい程までの笑顔と尖った歯が見えた。
イデアもギザギザした歯なのに、こうも恐怖の対象が違うと本当心にくる…。
汗が止まらない、じっとりと背中に汗を感じ『制服は絶対に濡らさない』と言われたが汗だったらどのくらいまでいいのか解らない。
マジカルペンへと手を伸ばせばその腕さえも掴まれ痛い程の力に顔が歪む。
「なんの、用ですか…」
「え〜？迷子かと思って話しかけたらいきなり逃げるからさ〜…ほら、逃げる魚って追いかけたくならない？」
「私は人です…」
「ねぇねぇ、人魚ちゃんは何が好き〜？ウツボ〜？それともタコ〜？」
人の話を丸で聞かない…未だに締め付けられる手首に「危険って何〜？」と笑った顔が近づく。
今回の事は本当に不可抗力、呼びたくない、呼びたくない。
けれど、けれど、この状況は怖い。
窓を抑える手が外れ「人魚ちゃん遊ぼ〜」と引っ張られる。
その隙を見て窓を開き大声である人の名前を呼ぶ。
「っ…マレウスー！！」
「は？」
驚いた顔の男にAは今にも涙が零れそうだ。
何言ってんの？と男が言いかけた時、窓が大きな音を立てて開き窓枠に手を着くマレウスが居た。
「どういう事だ？」と翼を仕舞うマレウスに男はすんなり手を離し「何でもないよ〜」と図書室を静かに出て行った。
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+ちっく(プロフ) - ((＾ω＾≡＾ω＜ｷﾞｬｱｱｱｱｱｱｱ！！ご報告ありがとうございます！！これからもバンバン書きます←歪んでる (2021年3月31日 15時) (
レス) id: 0cbf2f128f (このIDを非表示/違反報告)
ひかり(プロフ) - 最初のところ、イデア シュラウドですよ、 とてもいい話ですので頑張ってください(^^)応援してます (2021年3月31日 12時) (レス) id: 89d20ac765 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：+ちっく | 作成日時：2021年1月26日 18時
