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それで、必死で走ってきてくれたんだ…。
顔にへばりついたイデアの髪の毛を手で払うとじんわりと汗が滲んでいた。
人混みが苦手なのにこの広いホールをイデアは走り回って探してくれたんだ。
イデア…。
「ありがとう…イデア好き…」
「え！ぼ、僕もそれは！同じ気持ちで！」
赤くなる顔にイデアは手で口元を隠すと目を泳がせる。
そんなイデアが愛しくてAはゆっくりと立ち上がり「部屋、戻ろう」と手を握る。
「うん」と聞こえた声に2人で部屋までの道を歩いて行く。
お似合いね、可愛らしいわぁ、とあちこちで聴こえる声にAは嬉しくも恥ずかしくなるが隣のイデアはガチガチで「へ、変じゃないで、ござるか…」と変な口調に思わず笑ってしまった。
変じゃないよ、と返して握っていた手を離し腕を組み階段を上がる。
やっと部屋まで到着するとAはイデア、と名前を呼ぶ。
不思議そうにこちらを見るイデアにAは口を開いては閉じ、また開いては口を閉じる。
顔から元気がなくなりどこか悲しそうにするA。
「具合悪い！？」と慌てるイデアにAはドレスをぎゅっと力いっぱい握りしめると「あのね…」と口を開いた。
そして、男の人の名前を伏せたがいずれ分かるであろう、角の話、婚約者が居るのに将来はその人と…と話し始める。
Aの言葉に耳を傾けながらイデアは話が終わるのを待つとうっすらと涙を浮かべたAが顔を上げる。
「黙っててごめん…私も、覚えてなくて…」
「待って今調べるから」
「え…？」
イデアがAから顔を外し空中に指を向けると控え室一面に開かれる無数の青い画面。
え？とAが唖然としているとキーボードらしき物にイデアが今のAの情報を打ち込んでいく。
該当するものがあれば隅々まで記事を読み素早いスピードで次から次へと画面をスライドさせていく。
「イデア？」と声を掛けるも集中しているのかイデアは画面を消してはまた新しい画面へと目を向け記事を次から次へと横に縦にと流していく。
全ての画面が消えた頃イデアがAに目を向けるとAは終始理解していないのか驚いた顔でしかしすぐに不安げに眉が下がる。
「ごめん…やっぱり、この話無かっｰｰｰ」
「そんな記事無かった」
「え…？」
「嘘を付かれたんだよ、ひひっ…拙者にかかればこんな、事…どうとでもない」
「嘘？」
「…その人、Aの事好きだったんじゃない…？」
「…いや、ないないない！」
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+ちっく(プロフ) - ((＾ω＾≡＾ω＜ｷﾞｬｱｱｱｱｱｱｱ！！ご報告ありがとうございます！！これからもバンバン書きます←歪んでる (2021年3月31日 15時) (
レス) id: 0cbf2f128f (このIDを非表示/違反報告)
ひかり(プロフ) - 最初のところ、イデア シュラウドですよ、 とてもいい話ですので頑張ってください(^^)応援してます (2021年3月31日 12時) (レス) id: 89d20ac765 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：+ちっく | 作成日時：2021年1月26日 18時
