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目の前で小さく震えるAにマレウスは嬉しそうにAの耳元へと口を近づける。
そして囁くように言われた言葉にAの肩がびくりと跳ね上がる。
ゆっくりと離れるマレウスに目を向けると「では失礼します」と笑顔を残しマレウスはAから離れて行った。
『2人だけの秘密…ですから、今は婚約者ごっこ楽しんでください』
私…私…ど、うしたら…。
ガヤガヤと聞こえる音が次第に遠くなりAの視界が揺れる。
その場でガクリ、と足が崩れる寸前にふわり、と誰かに受け止められる。
顔をあげれば「大丈夫か！」と見慣れた赤。
「リドル…」と呟けばゆっくり歩ける？と椅子まで案内されAは椅子に腰を下ろすとリドルが執事に手で水を頼んでいた。
慣れてるなぁ、と思いながらも黒い服を見るだけでAはゾッとしてしまい、またしても顔が曇った。
「A、水飲める？」
「あ、うん、ありが、と…」
「疲れたんだろう、1度休んでから食事をした方がいい」
「ごめんね、私主役なのに」
「困った時はお互い様だ、それに…」
「…なに？」
「…っ…か、か弱い女の子が倒れそうになっていたら誰だって駆け寄るだろ！」
「紳士〜」
「おっおちょくるな！」
さっきまで重かった空気が軽くなりAの気持ち的にも軽くなったがやはり先程のことを思い出すと気が重くなる。
昔自分のしでかした少しの誤ちが将来こんなに響くとは思っておらず、A自身忘れかけていた事でもある。
しかし、相手にしたらそれほど重要だったのかと思うと忘れていた自分がどれだけ失礼な奴かと自分で卑下してしまう。
しばらく側にいて見守ってくれたリドルだったが「親に呼ばれている…1人で歩けるか？」と聞かれた時にAは「うん！平気！」と笑いリドルを見送る。
一人ぽつん、と残されたAはリドル同様近くの執事を捕まえイデアの食事を運ぶよう頼む。
頭を下げて下がる執事にAは内心穏やかではない。
イデアにどう伝えよう、親になんて言おう、どうしたらいいの？
ユラユラとコップの中の水が揺れるのと同時に無性にイデアに会いたくなった。
最低な女…と呟くとふ、と影がさした。
不思議に思い顔を上げると息を切らしたイデアが居て思わず目を見開いた。
「え！イデア！控え室にいたんじゃ…」
「し、執事…がっ…はぁっはぁ…食事運んできて…おかっしいなっ…はあ…って…そしたら、窓から見えたAが、泣いてるように、みえて」
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+ちっく(プロフ) - ((＾ω＾≡＾ω＜ｷﾞｬｱｱｱｱｱｱｱ！！ご報告ありがとうございます！！これからもバンバン書きます←歪んでる (2021年3月31日 15時) (
レス) id: 0cbf2f128f (このIDを非表示/違反報告)
ひかり(プロフ) - 最初のところ、イデア シュラウドですよ、 とてもいい話ですので頑張ってください(^^)応援してます (2021年3月31日 12時) (レス) id: 89d20ac765 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：+ちっく | 作成日時：2021年1月26日 18時
