感情欠落系男子【d!】 (ページ9)

今日:10 hit、昨日:4 hit、合計:6,309 hit

8 ページ9

強く左右に揺すぶられ一気に意識が覚醒する
ぼやける視界をあげると綺麗なアメジスト玉が見えた
これを持ってるのは1人しか知らない

A「んぐ、翔、か」

どうせなら兄さんが良かった

syp「翔だよ悪かったなコネシマさんじゃなくて」
A「や、ええ、帰る」
syp「おん、今日暇やから一緒に帰ろや」

翔っていっつも俺より先に居なくなってせぇ高い男子と帰っとらんかった？

A「いっつも他の奴と帰っとうやろ、ソイツと帰ればええやん」
syp「アイツは今日予定あって俺1人やから」
A「ふーん、そんならええけど」

席を立ち汚れの着いた服を払う
あーあ、1着しかないのに

syp「お前ん家金あんのにお前に裂く金ないんや」
A「好かれてないからな俺」
syp「コネシマさんでも服はあんのに」
A「余計な世話」
syp「はいはい」

今日むしり取られたから一銭もないし
また兄さんに貰わないと
夕陽をバックに雑談をしながら帰路をたどる

syp「なぁA」
A「ん」

突然翔が歩を止め振り返った俺を強く見つめてきた
何怖いんですけど

syp「寮入る気ないか」

寮？あぁそういえば遠方から来る学生のために寮があったな

A「なんで嫌われ者の俺が寮に？翔どないしたん」
syp「あの家居ったらお前がもたない。やから寮に」

真剣な顔で此方を見てくる。
でもそれは全て余計なお世話だ

A「余計なお世話だって言ったよな。」
syp「……ごめん、でも」

何故なんだろう
何故こいつはこんなに俺を構うんだ
中学からの付き合いだけどあれは兄さんから始まった関係だし
俺はお前をトモダチとも思ってないし

syp「やから、A」

なんでお前がそんなに辛そうな顔してんだよ

A「考えとく、でも寮に行ったとこで俺に対する対応は変わらないやろ」
syp「じゃ生徒会はいろ」
A「は？」
syp「圧かければええ。それと生徒会入れば“俺ら”しか居ない場所で過ごせるし」
A「俺ら、？翔って一人暮らしじゃ」
syp「時雨が心配で今一人暮らしやねん、ほらコネシマさんやって本当はあっこで暮らす予定やってんけどお前が心配やからって居たくもない家に居るんや」
A「そ、なら考えとくよ。上手くいくならな」
syp「あの人が言うんやから上手くいく。じゃあなA」
A「ん、じゃあな」

そうか
生徒会とやらに入れば俺の望むものが手に入るのか
でも、無理だろ
俺が生徒会とか
無理に決まってる

むり、むりだ