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ピピピと軽い音が耳元で鳴り響く
あぁもう朝なのか
体がだるい、風邪ひいたかな
別にいいけど
額に手を当てるとじんわりと熱が伝わってくる
よし健康だ←

kn「A、朝やで」

普段声がでかい兄さんは俺に話しかける時だけ小さく優しい声を出す
何故か知らないがな

A「しってる」
kn「風邪ひいたん?声ガサガサやけど」
A「どうでもいいでしょ、」
kn「……大丈夫なんか」
A「大丈夫」
kn「…そうか、無理せんでな」

俺の頭を撫でてから部屋を出ていった
生徒会が忙しい兄さんは朝早くから出かけていく

A「あったかかった、」

昔から、兄さんだけは俺の味方だったな
ずっと温かく抱きしめてくれたり頭を撫でてくれたり
愛情をくれたのは兄さんだけ

A「学校、行かないと」

思い出話に浸っている暇は無い
昔は昔、今は今だ
痛む頭を抑えながら制服に着替える
ネクタイはせずシャツの上から内側がモコモコの黒いパーカーを着る
制服の規定が緩くて良かった
ブレザー寒いからな
部屋の扉、正確には階段下の物置の扉を開ける
狭いが案外落ち着く唯一俺に与えられた部屋
カバンを背負い、玄関に向かう
早くここから離れたくて底がすり減った靴を履き外に出た
ジロジロと嫌な視線を感じる
ご近所さんからも俺は嫌われているらしい

?「A」

学校が近くなると毎日後ろから声をかけられた

A「なに」

振り返ると制服の上から紫のパーカーを着てその上からブレザーを着ている重装備な同じクラスの紫奈川翔(しながわしょう)がいた

syp「おはよ」
A「……」
此奴も物好きだ
俺に話しかけてくるなんて馬鹿な行動良くするよな

syp「顔色悪いやんけ、風邪ひいたん?」
A「べつに」
syp「…昨日水ぶっかけられたからか」
A「ックシュッ…」
syp「あーあー、今日帰ったらどうや」
A「…むり、きょ、は」

学校が近づくにつれ体調が崩れ出す
ストレスか、なにかか、
今日は母親が家にいるのだ
帰れない、帰ったら死ぬほどキレられる

A「ゲホッゴホッ…」
syp「…俺の家こい」
A「は、」
syp「ええから」

翔に腕を引かれ来た道を帰ることになった
登校中の奴らからは嫌な目で見られる

A「いい、ッがっこ、いくからッ」
syp「…学校はええから、今は体調」
A「ぅ、」

ゆっくり通学路から離れ、別の道を進んだ

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狐白 - 好きだわ (3月3日 0時) (レス) id: 05a07245e0 (このIDを非表示/違反報告)
狐白 - 泣けた (3月3日 0時) (レス) @page30 id: 05a07245e0 (このIDを非表示/違反報告)
アメふらし(プロフ) - コメントありがとうございます!応援とても嬉しいです!投稿頑張りますね (12月12日 7時) (レス) id: d31fb987aa (このIDを非表示/違反報告)
通りすがりの一般人 - すっごい好きです!無理せず頑張ってください!ペンライト振って応援します!! (12月12日 1時) (レス) @page10 id: 3abe2dada4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アメふらし | 作成日時:2023年12月8日 0時

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