感情欠落系男子【d!】 (ページ15)

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knside

kn「……A」

幸運にも危ない状況だったAは一命を取り留めたのだが、昏睡状態に陥ってしまった
親2人は小羽を突き飛ばしたからと自分の子供の入院費治療費の支払いを突っぱねている
つくづくクソだなと思った

Aが目覚めたら、寮に住まわせて、いじめとか虐待とか何も無い安心できるところを作らないと

ごめんな、A

今まで何も出来てなくて
兄さん失格や

A「ぅ……に、さ、？」

か細い声が聞こえてくる
もしかして、と椅子を蹴りベッドに身をより出す
ぱち、ぱち、とゆっくり瞬きをしている
起きた。起きたんだ

kn「A、俺がわかるか？」
A「しま、にぃさ、」

受け答えができてる。
握った手が暖かくなる。
あぁ、あぁ

kn「よかっ、たっ……！！」

目の端を生暖かい液体が流れていく
ダメだ俺が泣いていいところじゃない
じゃ、ないのに

A「あは、おれ、いきてたんだ」
kn「おん」
A「…いえ、かえりたくない」
kn「…せやな、俺もや」
A「ずっと、がんばってんのに、みとめてくれない、あいつらがきらい。いなくなればいいのにっ…！！」
kn「叫んだら身体に障るで、同感やけどさ。」
A「にいさんしってる？」
kn「なにを、」
A「てすと、おれのとうあんとくそいもうとのとうあんいれかわってるの」
kn「ごめん、知らんかった、ほぼ100点やったやろ？Aすごいな」
A「…ごらくないからさ、しゅうちゅうできるし、」
kn「……そか、頑張ってんな、」
A「うん、うん、がんば、った、」

ホロホロ涙を零す弟の姿は初めて見るようでズキリと心が痛んだ
もう、こんな苦しい思いはさせへんから

syp「Aっ、起きたんやなっ」
A「…ん、ごめ、」
syp「謝んなくてええよ、起きてくれてよかった、」
A「な、しょう、にいさ、おねがいが」
kn「どした？」
syp「なに？」

A「─────」

kn「おん、わかった。」

A「あり、がと」