夢主に振られたからって私に相談しないでください

第四十九話　は? ページ12

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少年と躑躅森さんを抱えて道路の向こう側に着地する

すると条野さんと鐵腸さんが此方に駆け寄ってくる

「お二人共大丈夫ですか、それに君も」

嘘だろ条野さんが夢主だけじゃなく

私や少年のことも心配してくれている……だと!?

今日で全部の運使い果たしたわ

「清水さんが庇ってくれたので大丈夫です」

そういう躑躅森さんの肩は少し震えていた

私は2人に無事である事を確認すると2人を下ろす

その瞬間、少年が大声をあげて泣き出した

急な大声に条野さんは少し顔を顰め一歩下がる


嘘だろ君!?先刻迄泣く様子1ミリもなかったじゃないか!!

「怖い〜!!」

え、待って少年、何故私を指差す???

真逆、私に向かって怖いって言ってるの??

顔か?顔が怖いのか??

「人に向けて指をさしてはいけない」

うん、そうだね、そうなんだろうけどさ

そこじゃない!!

ほらもう躑躅森さんが苦笑してるよ

条野さんに至っては笑いを堪えてるよ!!

「確かに目付きは悪いが悪い奴じゃないぞ」

グサッ

「けど顔怖いもん」

グサグサッ

「そんなこと言っちゃダメだよ、

清水さんだって頑張って生きてるんだよ!」

グサグサグサッ

もうやめて!!私のライフはもう0よ!

そう言い、私は顔を覆いたくなる

てか躑躅森さんは庇うどころか貶してるんだが???


その後駆け寄ってきた母親が私のことを指して

顔が怖いと言って泣くクソガキを謝らせ

その後私にお礼を言って立ち去って行った





…帰ろ

私はそう思い、踵を返し、帰ろうとすると

突如誰かに腕を掴まれた、ふと後ろを振り向くと

俯いた躑躅森さんが私の腕を掴んでいた

あれ、なんかこれデジャビュ

あまりの訳の分からないこの状況に

私は小さく“は?”という声を洩らしてしまった

勿論、これは大前提だが躑躅森さんが

嫌いだから“は?”と言った訳ではなく

只々単純に疑問に思ってしまったからだ

不可抗力だとしても触れるのは嫌だっただろうか?

否、でも今触れてるからそれは関係ないな…

等と腕を掴まれた理由について思考を巡らせる


「あ、あの!」

思考を巡らせていると口を開いた躑躅森さんによって

現実に引き戻された

『なんでしょう』

思わず反射的に素っ気ない返事をしてしまったが

躑躅森さんはそんなのもお構い無しに次の言葉を発する

「あの、お礼させてください!!」

私はその言葉にまた“は?”という言葉を発してしまった










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