夢主に振られたからって私に相談しないでください

第十四話　条野採菊 ページ18

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「ところで、其方の方は以前見なかったのですが

新人でしょうか?」

母は福地隊長が来たことで此方を向いた

3人の隊員のうち白い髪に赤い毛先を持つ男の人

を見てはそう口にした

「ああ、儂がとある場所から引き抜いてな

条野、ちとこっちに来い!」

お母さんナイッッッス!!!!

と心の中で盛大なガッツポーズを決めた


「何です?お遊びには特別手当を要求しますよ、隊長」

条野さんがそう言った瞬間両親が吹き出した

何故なら先刻の私と全く同じ台詞だったのだから

「君、うちの娘に似てるな」

「はあ…」

お父さんの言葉に不思議そうに見る福地隊長と条野さん

両親は肩を震わせて爆笑する。私はというと

恥ずかしさでどうにかなりそうで顔を伏せるという

地獄絵図が出来上がってしまった


「今条野は何かおかしなことを言ったか?」

『…大したことはないのでどうぞお気になさらず』

両親は見事にツボにハマったようで30秒程笑い続けた

その間私は弁明と緊張で頭がどうにかなりそうだった

条野さんは多分私が焦っていることを心音で聞いた

みたいなので終始笑顔だった

「否、すみません、遮ってしまって

名前を伺っても宜しいですか?」

「条野採菊です、どうぞ宜しくお願いします

清水上官」

「条野さんですね、何故引き抜かれたのです?」

「条野は盲目だが五感が良くてな、

心音を聞き嘘を見分ける、その五感を使う為に

引き抜いたんのだ、尋問の際には重宝している」

「成程、では先程の我々の

心音も筒抜けということですな」

感心し乍らも冗談めかしていう父

「そうですね、特に娘さんの心音は愉快でしたよ、

最初は訓練の成果か、抑えていたみたいですけど

必死に弁明している時の心音も面白かったです」

この頃の条野さんはまだ無辜の民を救うことに愉悦を

覚えていない時期なのかな、お母さんとお父さん

今の言葉に引いちゃってるよ、ドン引きだよ


「貴女も私の愉しみの一部になってみますか?」

条野さんは私に顔を近づけてそう問うた

……え、待ってなりたい((

純粋になりたい、条野さん直々に尋問してくれるの?

は?寧ろご褒美だろ、キレるぞ

ヤバい、どうしよう、普通になりたい


『できたらいいですね、けど今の発言は

取り消したほうが良いかと』

私は自分が一番綺麗に見える笑みを条野さんに向けた

「…おや、怯えました?」

『否、うちの両親が激怒してるので』










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