夢主に振られたからって私に相談しないでください

第十話　太宰治 ページ14

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私は三年生達をフルボッコにした後、躑躅森さんの

誤解を解くために躑躅森さんを追いかけた

すると河原の近くで女の子の泣き声が聞こえた

耳を澄ませて聞いてみると躑躅森さんの声と

なんだか聞き覚えのある男の声が聞こえた

私は近くの建物の影に身を潜めて会話を聞く


「ひっく、ぐす…」

「ほら、泣かないで」

「うっ、ごめんね＿＿＿＿＿＿治くん」

どうやら男の方は治というらしい…ん?治?

治って真逆!と思い少し影から2人を見てみると

右目に巻いた包帯に黒の外套、茶色の蓬髪は

一目で判った、文ストのメインキャラの太宰治だった

嘘だろ夢主、黒太宰さんともう接触してんのかよ


「にしてもその清水Aだっけ?

今までどんな虐めをされてきたんだい?」

うっわ、私太宰さんにまで悪役判定されてんの?

ていうか何度も言うけど虐めてないからね???

「えっと、最初の頃は気にならなかったんだけど…

上級生達を使って頭から水をかけられたり、靴に画鋲を

入れられたり先刻も腕を引っ張られて路地裏に…っ…」

そう云って悲しそうに目を伏せる躑躅森さん

全部やってないし、最後のに限っては

躑躅森さんの勘違いだっつーの!

「悪いね、華奏、辛いことを思い出させてしまって」

「ううん、いいの、初めて会った時から治くんが

私の相談に乗ってくれてたから…」

「初めて会ったあの日は実に愉快だったよ、

私が入水してたら川に入ってまで私を引き上げてきて」

そう云ってふふふ、と笑う太宰さん普通の女の人なら

完全にノックアウトだっただろうな

「だ、だって!あの日は12月で雪も降ってたし…」

「修学旅行の前だというのに服を濡れさせて…」

「あぅぅ…もう、揶揄わないでよ」

うわ、このイチャコラ空間の中に割って入って

雰囲気ぶち壊してぇ…ていうか12月の修学旅行前って

あの地獄の修学旅行の時かよ!!

「あの時、治くんにAちゃんに異能力が

あることを話してくれたんだよね」

お前かあああ!!!お前のせいか!お前が元凶か太宰治!!!!

この包帯無駄遣い迷惑噴霧器のクソ鯖があああ!!!!

「静電気を喰らうなんてただの偶然かと思ったけど

君が必死に聞くものだから異能者の可能性も

あると思ってね」

偶然だよ!!確かに私は異能者だけどそんなくっだらない

ことに異能の無駄遣いなんかできるか!!!

ていうか太宰さんもっと観察力あるキャラだったし

もっと賢かったろ!!


私は心で盛大なツッコミを入れていた









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