置いてかないでお嬢様！

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zm side

「ゾム」



グルッペンが俺の名前を呼ぶ

俺はあいつが出ていった扉から目が離せなかった

あいつが、【魔女】が生きてた

あのとき死んだ筈のあいつが生きてた

【喜び】それと共に大きな【罪悪感】

俺はあいつを



「A・シュヴァと
　面識があるのか？」

『あ...る、
　生きてた、あいつが、』



ー「ここにはお前だけか？」ー

ー『ぁ、ぃ、せ、せや』ー



あの日あの時あの場所で






見殺しにした。





自分の生を確実にするために



『あ、いつは、お前らが
　俺を助けてくれた研究所に居た、』

「え」



いくつもの言葉が重なる



『お前らが研究所をぶっ壊した時
　あいつは最下層で【最上級投薬実験】をされて、た』

「でも、あの時、お前以外居ないって...」

『俺も、そ、う、思ってた...
　あの部屋にいったやつは戻ってきたことがなかったから』



俺は3歳の頃ある研究所に売られた

人体実験を主とした研究所

身体能力、魔力、学力

全てが完璧な人体兵器を作る研究所

モルモットは1〜10歳までの子供

俺は3歳から、あいつは1歳の時からあそこにいた

一次実験、二次実験

全十次の実験を全てクリアできたのは

俺とあいつ含め、7人

初めにいた友達は

実験の途中で全員しんだ



『俺は、あいつを見殺しにしたんや。
　生きてるかもなんて可能性を捨てて
　俺だけ、生き延びた』



謝らなくては

あいつは俺や俺以外の生き残りを

兄や姉のように慕っていた

一人でも帰ってこなければ泣き

常に誰かと一緒に居たがるような奴

生き残りの中で最少年ということもあったかもしれん



『あの日、あいつは大人に連れられて泣きながら最下層にいった
　忘れられへん...
　あいつが...
　俺に助けを求めて泣き叫ぶ声が
　耳にこびりついて、離れんねん...』



ー「たすけて！いゃ！いきたくない！」ー

ー「たしゅ、たすけ、きょーい！きょーいぃ！」



無意識のうちに両手を耳につけた

幼いあいつの声が耳のなかで響く

ボロボロになった棒切れのように細い腕

病的に白い肌

泣き叫び殴られ気絶する姿

今も鮮明に思い出す



『俺は、あいつにとって
　【裏切り者】なんや...』



己の体に出来た傷を見て

胸が傷んだ



ーーーー
ゾム・クリーク


グルッペン達に救われる

Aと同じ研究所の被験者

ファミリーネームは、トントン命名

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