悪魔の王様 (ページ26)

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私も帰ろうとしたら

「あっ、A ここに残って」

『え？』

「先生に用があるから、それが済んでから話すから待ってろ」

『はい、分かりました… 』

と彼は急いで生徒会室を出た。

1人になり、ぼーっと考える。

彼と初めて会った時は、とにかく扱いが酷かった。

…まあ、今も酷いけど、

でも、前とは全然違う。

私も1人の女として、見てくれてるのかな、

いや、甘く考えるな、相手は副会長。

どんな事をするか分からない。

だからこの先の事も警戒しないと。

急に " ガチャ " と扉が開き、彼が戻って来た。

『北斗さん、お疲れ様でした』

「おう、」

『で、北斗さん用って、？』

「ここなら誰も居ないし、いいよね」

『 …？……えっ、？』

突然、彼から抱き締められた。

突然すぎて、私は驚きを隠せない、

『北斗さん、？』

「俺さ、気付いたら気になってた

だから俺の負け。」

『 …ほんとですか、……私も北斗さんの事好きです。』

「 …なあんてね。Aの事が好きなんて一言も言ってないけど？」

『 …なにそれ。』

「この恋愛(ゲーム)、Aの負けだわ」

『 …酷い。卑怯者、！』

「元々、恋愛とは言え、ゲームなんだから

本気にしちゃダメでしょ。」

その発言で私の何がカチンと切れた。

『そうですよね笑

まあでも北斗さんらしくてほっとした。

私、今日をもって生徒会辞めさせて貰います。

短い間でしたけど、貴重な経験が出来て良かったです、さようなら。』

荷物を纏めて、勢いよく生徒会室を出た。

私の目には自然と涙が零れていた。