守られててもいいよね (ページ3)

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絶体絶命、ページ3

手元には薄汚れ使い古されたハンドガンがあるも、自分は此処に身を潜めてる訳で。勢いよく弾でもぶっ放したら其れを聞きつけた敵やら味方やら、否、此処は敵陣側だったっけ。だったら味方が駆け付けてくれる可能性は低いな。否、でも"彼奴"なら来てくれるか？今頃姿も声も見えない俺の事を探して、此処まで乗り込んできてる可能性はある。
だが、彼奴が俺を見付けるのが先か、敵に見付かり最期を迎えるのか。確率は五分五分だが、何だか心許ないと云うか不安と云うか。…彼奴を信用しきれていない証拠だろうか。

＿遠くから足音。

此方に近づいて来るのが分かる。長年の勘撚りも優れた聴覚故、相手との距離も大体把握出来た。およそ40m弱位だろうか。相手は走っている様子は無く、片足をずるずると引き摺っている音が聞こえる。敵の負傷兵が此方に逃げて来たのかもしれない。何ともまぁタイミング悪く来る敵兵だ。
さて、この敵兵をどうやって処理する？
ナイフならちゃんと握ってあるが、生憎投げられそうにもなく、目の前での悪あがき位しか出来そうにない。ハンドガンで威嚇射撃でもしてみるか？負傷兵なら殺されたくないが故に何処か他の場所に移動するだろう。

「＿＿やべー…」

カチ、カチ、と引き金を引く度に鳴る弾切れの合図。近くをぐるりと見渡すも、目の届く範囲で弾丸の入った箱が見当たらない。＿どうやら此処までなんだろうな。
何とも悪いタイミングが重なり過ぎている。敵からの攻撃により動けなくなった俺には、弾切れに敵兵。どうする事も出来なくこのまま死んでいくのだろう。

…？

心境、→←瀕死、