Ep.7 ページ10
外に出た時、すでに太陽は沈みかけていて、夜の気配が迫ってきていた。依然としてこの廃ビル前には、ちらほらと野次馬の近隣住民と往来する警察職員の姿が見える。
赤いコーンに貼られた黄色いテープ、赤いランプを狂騒に回すパトカーは、不謹慎だけれどテレビや刑事ドラマの現場みたいで、今更ながら事件現場にいたのだという実感が湧いてきた。入る時は裏口からだったんだな。
ぐるりと周りを見渡すと、密集した野次馬の中に、一つ飛び抜けて目立つ金髪の頭を見つけた。
あぁ……どうしよう怒ってる……かも……七海くんゴメン……そんな怖い顔しないで……。
「それじゃ、明日は警視庁だ。忘れんなよ」
「了解」
隣の陣平くんがそう言った。バイバイと手を振ると、片手を上げて返してくれる。その姿に背を向けて――――七海くんの元へ行こうとした、その時だった。
「宮下さんっ」
「え」
メガネの、男の子―――に、服の袖を掴まれた。どことなく才気ある青く丸い瞳が、わたしを真っ直ぐに見つめた。
「え、誰だろこの子」と一瞬混乱して、思い出した。あぁ、そうだ！事件現場で私を睨んでた、呪霊いっぱい引っ付けてた子！
すぐにわかった。だって、その子の周りには、低級呪霊がうじのようにくっついていたから。さっきの事件で発生した呪霊でさらに数が増えている気がする。
あ、そうだ。戻ったら補助監督さんに廃ビルの呪霊について報告しないと……あぁいやその前にこの子、一体私に何の用事だろう？
私が混乱して何を言うべきか
「ほっ…？うェお……？」
「いきなり呼び止めちゃってごめんなさい！宮下Aさんだよね」
「え、ええ………あぁっと、君は？」
「僕、江戸川コナン！」
「ど、土川ロラン……？」
「江戸川、コナン、だよ」
ごめん、聞き間違いはわざとじゃないの。たった今上空をジェット機か何かが轟音を立てて飛んでいったから……。
………にしても、"えどがわこなん"か。
わたしはまたも混乱した。だって、"えどがわこなん"。キラキラネーム、というか、なんだか作り物の物語の登場人物みたいな名前だな、と漠然と思う。"えどがわ"は、漢字に当てたら多分"江戸川"だよね。名前は漢字でどう書くんだろうか。この子日本人っぽいし………。
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やなり(プロフ) - jenniferwu3429さん» 原作は辛すぎますよね……。 (8月13日 18時) (
レス) id: 38128c49d7 (このIDを非表示/違反報告)
jenniferwu3429(プロフ) - この作品を読む度に禅院姉妹のことを思い出すな (7月13日 3時) (レス) @page4 id: 426e07a7b9 (このIDを非表示/違反報告)
やなり(プロフ) - RIOさん» お返事遅くなってしまいすみません！コメントありがとうございます！こうしてコメントを、いただくと筆が乗ってしまう単純なわたし……(^-^; 少しづつにはなりますが更新していくので、お付き合いいただけるとうれしいですm(_ _)m (2022年5月28日 9時) (レス) id: 38128c49d7 (このIDを非表示/違反報告)
RIO - 早く続き読みたいです！ (2022年5月24日 6時) (レス) @page11 id: 759836d8d0 (このIDを非表示/違反報告)
やなり(プロフ) - sou様、こ、光栄なお言葉をありがとうございます……！あらかじめ書き溜めた分はコツコツ更新していこうと思っています。完結まで私の妄想に付き合っていただけるとうれしいです(*´꒳`*)。ご期待に添えるように頑張りますね！！ (2022年5月22日 9時) (レス) id: 38128c49d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やなり | 作成日時：2022年5月21日 16時
