Ep.17「ノット・グッモーニン」 ページ20
…………朝日で目覚めたのなんて何週間ぶりだろうか。起き抜けの頭でボーっと考える。テレビの前のローテーブルには、ビールの空き缶と空のお皿……全部やりっぱなしで寝たんだっけ。そうだ、録画した金ロー見てて、寝落ちしたんだ。
今日は何日?何曜日だっけ?っていうかそもそも今何時?寝ぼけ眼を部屋の中に彷徨わせる。ぼんやりとした視界は白い光に照らされる部屋の中、ある一点で―――時計を見つけた。
現在時刻09:56
…………くじ、ごじゅうろっぷん。
「……………………寝坊した!?」
チッチッチッチッチーン、そのタイミングでキュウリを見つけた猫みたいに飛び上がった。悲鳴に近い叫びが出てきて、飛び起きた折にソファからズリ落ちた。ドスッと腰を打ちつけた。
いっ…た……!じゃない!!ヤバイヤバイヤバイヤバイ!なんで昨日の私は目覚ましかけなかったの!!遅刻だ!!私は五条くんじゃないんだよ!!遅刻…………!……遅刻………?何に………?
「今日、休みの日じゃん…………」
ホッとして、体の力が抜けた。へにゃへにゃとソファにしなだれる。朝から心臓に悪い。こういう時、自分のワーカーホリックを感じる。呪術師は万年人出不足だから仕方ないんだけどね……。
心臓が飛び出るかと思った。
よく言われる比喩表現だけれど、それにはそれなりの理由があるのだろう。つまり心臓が飛び出るかと思った経験がある人はそれなりに多いに違いない。どうでもいい話だな。
ただ、もれなく私もそのうちの一人だ。任務で心臓が飛び出るかと思ったことは数知れない。
心臓がキュッと締め付けられるみたいに苦しくなるのは、恋だとか愛だとか、そんなラブロマンスだけで十分だ。もっとも、呪いの世界に足を踏み入れた以上はそんなもの、ない方がいいのだろうけれど。
警視庁に行くのが、一時。それまで三時間近く。さて、せっかくの休日は何しよう。とりあえず朝ごはん………もうお昼ご飯か。食べたら、ぼちぼち出かける準備始めるか。それか、警視庁近くに美味しいカフェとか、喫茶店とかないかなぁ。帰りに寄って帰ってくるのもいいかもしれない。
とりあえず、のそりと起き上がった。部屋の惨状も、起き抜けにボケ倒した私の姿も酷すぎる。映画見て寝落ちしてやろうって、確かに思ったし、映画は面白かったけど、こんな姿、陣平くんには絶対見せられないな、と思った。
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やなり(プロフ) - jenniferwu3429さん» 原作は辛すぎますよね……。 (8月13日 18時) (レス) id: 38128c49d7 (このIDを非表示/違反報告)
jenniferwu3429(プロフ) - この作品を読む度に禅院姉妹のことを思い出すな (7月13日 3時) (レス) @page4 id: 426e07a7b9 (このIDを非表示/違反報告)
やなり(プロフ) - RIOさん» お返事遅くなってしまいすみません!コメントありがとうございます!こうしてコメントを、いただくと筆が乗ってしまう単純なわたし……(^-^; 少しづつにはなりますが更新していくので、お付き合いいただけるとうれしいですm(_ _)m (2022年5月28日 9時) (レス) id: 38128c49d7 (このIDを非表示/違反報告)
RIO - 早く続き読みたいです! (2022年5月24日 6時) (レス) @page11 id: 759836d8d0 (このIDを非表示/違反報告)
やなり(プロフ) - sou様、こ、光栄なお言葉をありがとうございます……!あらかじめ書き溜めた分はコツコツ更新していこうと思っています。完結まで私の妄想に付き合っていただけるとうれしいです(*´꒳`*)。ご期待に添えるように頑張りますね!! (2022年5月22日 9時) (レス) id: 38128c49d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:やなり | 作成日時:2022年5月21日 16時