陸 ページ8
「…これは、酷いなぁ。」
屋根裏から隙間を覗けば、其処には血だらけで横たわる人々の死体が積み重なっていた。
「胸糞わりィ。さっさと鬼を見つけるぞォ。」
だが捜索を続けるも 見つかる気配はない。不動産屋から頂いた見取図を見て、溜め息をつく。
「これは恐らく、地下だね。」
「あぁ、間違いねェ。さっきの場所に戻るぞ。」
慎重に引き返し、息を殺して待つ。暫くすると扉が開き、一人の男が入ってきた。
男は此方に気付くこと無く積まれていた死体の一つを担ぎ、壁を押す。すると階段が現れ、彼は其処を下って行った。
「よし、行くかァ。」
音を立てないように天井を斬り落とし、部屋に潜入する。そして慎重に長い階段を下って行く。
先を行っていた不死川が手で 止まれ、と合図をした。そっと覗けば 其処は広く伽藍とした部屋で、其処では複数の鬼が男と会話をしていた。
「全部で四匹だ。俺が合図したらお前はあの男を拘束しろ。その間に俺は鬼を斬る。終わったら加勢しろ。」
頷いて、呼吸を整える。顔を見合わせて、次の瞬間部屋に飛び込んだ。
「何奴!?」
一瞬で男を拘束する。このやり方は義勇に教えて貰ったものだ。まさか此処で役に立つとは思わなかった。
不死川の方を見る。彼は既に二体斬っていた。
「くそ、鬼狩りか!」
残りの二体が同時に飛びかかって行くが、彼は焦ることなく次々に頸を斬り落としていく。
最後の一体を斬った瞬間、突然男は笑いだした。
「素晴らしい! これは是非とも奴に食べさせなければ!」
次の瞬間悪寒が走り、轟音と共に何かが上から降ってきた。寸での所で交わし、刃を向ける。
「美味しい肉、食べる、食べる、食べるぅぅぅぅ!!」
その鬼は優に十尺は超える巨躯だが、とてつもなく疾い。コイツが“化け物”だろう。伸ばされる手を避けながら、距離を取る。
取り敢えず、立て直して___
「食べるぅぅぅ!」
あ、
突然巨大化して振り下ろされた手は、
一瞬で斬り刻まれた。
「ったく、油断するなって言ったのは何処のどいつかねェ。」
その頬から、掠ったのか血が流れている。
血が、
「…暉峻?」
血は、きらいだ。
仲間が、大切な者が、傷付いているのを見た時、
「ご免なさい。もう、手加減出来ない。」
全集中・暉の呼吸 天菩比ノ舞
次の瞬間、鬼の胴体が真っ二つに割れた。
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mikki-(プロフ) - 酸漿さん» ひぇ……お友達さん絵が上手すぎやしませんか????貴方の作品もお友達さんの絵も好きです応援してます!! (2019年7月29日 19時) (レス) id: df35f93799 (このIDを非表示/違反報告)
酸漿(プロフ) - mikki-さん» 友達が書いてくれたものです。登場人物紹介に載せているのは、角&耳っこメーカー様からお借りしたものです。紛らわしくてすみません。 (2019年7月29日 19時) (レス) id: 511b02f073 (このIDを非表示/違反報告)
mikki-(プロフ) - 初めまして。質問なのですが、表紙のイラストは酸漿様が描いたものなのですか?教えて下さい (2019年7月29日 18時) (レス) id: df35f93799 (このIDを非表示/違反報告)
酸漿(プロフ) - 金糸雀さん» その通りです。夢主の母を鬼にしたのも彼です。彼は自ら会いに来るまでは待つ、という約束を律儀に守っています。 (2019年7月7日 20時) (レス) id: 511b02f073 (このIDを非表示/違反報告)
金糸雀 - まさか、過去の話に出てきて鬼は上弦・壱ですか? (2019年7月7日 1時) (レス) id: 359e27b0ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:酸漿 | 作成日時:2019年6月16日 19時