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汽車を降りれば、何処から来たのかと思う程の人でごった返していた。


此処から例の人を見付けるのは至難の技だろう。苦笑いをしたその時、


「君がAだな!」


双眸を見開いた、金に赤が混ざった髪が特徴的な青年が此方に歩み寄って来た。


「貴方が、煉獄さんですか?」


「如何にも! 俺が 今日一日君の案内役を頼まれた煉獄杏寿郎だ!」


快活な人だ。義勇とは大違…これ以上は黙っておこう。今頃彼はくしゃみをしているに違いない。


「それでは、宜しくお願いします。」


「よし、早速行こう!」


彼に連れられ、東京の町を闊歩する。


真っ昼間からキラキラした看板、大通りを歩く西洋の服を着た人々、露店で売られる美味しそうな食べ物。見るもの全てが新鮮で、何度も立ち止まりそうになる。


「暉峻少女、何が食べたい?」


そわそわしていたのが分かったのか、笑顔で問いかけてくる彼は、太陽に負けない位眩しい。


「甘いものを。煉獄さんのお勧めが良いです。」


「ふむ。それじゃあ、あの店が良いだろう。」


少し待っておくように、そう言った彼は露店で何かを買い、戻ってきた。


「これが俺のお勧めのアイスクリームだ!」


その手には小さなカップが握られており、その中には何やら白いものが盛られていた。


「戴きます。」


恐る恐るスプーンで口に運べば、それは舌の上でまるで淡雪のように溶け、甘く濃厚な香りが広がった。


「美味しい!」


夢中で口に運び、堪能する。


「…これは冨岡が手放したくない理由も分かるな。」


彼が何かぼそりと呟いた気がしたが、食べる事に夢中で聞き取れなかった。


「本当に 美味しかったです。…代金支払います。」


「いや、此処は俺が奢ろう。」


「でも、」


「その代わり、と言ったら何だが 君について教えてくれ。」


そう照れくさそうに話した彼を見て、此方まで恥ずかしくなる。


「えぇ、勿論です。」


はにかみながらそう返せば、彼は目を子供の様にキラキラと輝かせて 怒涛の勢いで質問を始めた。


それに一つ一つ丁寧に答える内に、何時の間にか日が暮れそうな時間帯となっていた。


「今日は本当に有り難う御座いました。」


「此方こそ 今日は、長く引き止めてしまって済まない!」


「それでは、」


「ちょっと待ってくれ。」


手を、差し出される。


「これから柱として共に頑張ろう!」


「はい、宜しくお願いします。」


力強く、その手を握り返した。

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mikki-(プロフ) - 酸漿さん» ひぇ……お友達さん絵が上手すぎやしませんか????貴方の作品もお友達さんの絵も好きです応援してます!! (2019年7月29日 19時) (レス) id: df35f93799 (このIDを非表示/違反報告)
酸漿(プロフ) - mikki-さん» 友達が書いてくれたものです。登場人物紹介に載せているのは、角&耳っこメーカー様からお借りしたものです。紛らわしくてすみません。 (2019年7月29日 19時) (レス) id: 511b02f073 (このIDを非表示/違反報告)
mikki-(プロフ) - 初めまして。質問なのですが、表紙のイラストは酸漿様が描いたものなのですか?教えて下さい (2019年7月29日 18時) (レス) id: df35f93799 (このIDを非表示/違反報告)
酸漿(プロフ) - 金糸雀さん» その通りです。夢主の母を鬼にしたのも彼です。彼は自ら会いに来るまでは待つ、という約束を律儀に守っています。 (2019年7月7日 20時) (レス) id: 511b02f073 (このIDを非表示/違反報告)
金糸雀 - まさか、過去の話に出てきて鬼は上弦・壱ですか? (2019年7月7日 1時) (レス) id: 359e27b0ea (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:酸漿 | 作成日時:2019年6月16日 19時

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