密会 ページ10
「好きだ。」
角張った大きな手が、頬に触れる。
途端頬が熱くなり、心臓が激しく波打つ。
熱のこもった瞳、赤く上気した頬
そして、いとおしそうな表情。
思い出すだけで顔が赤くなる。
一旦頭を冷やそうと、冷たい水を一気に飲み干した。
「珍しいな、お前から相談なんて。何があったんだ?」
ある茶屋で 蛇と戯れながら、目の前の男が尋ねる。
「非常に言いにくいんだが…。」
そうして、事の経緯を語った。
「そうか。………やっと彼奴も伝えたか(小声)」
「?」
「いや、何でもない。それで、お前はどうしたいんだ? 返事はしたのか?」
「…実弥のことは親友だと思っていたから…
正直、まだ心の整理が出来ていない。ただ、軽い気持ちで彼奴と向き合いたくない。だから、『少し時間が欲しい。』とは言ったんだが…。」
そう言うと、伊黒は何故か満足げに頷いた。
「……任務に支障はきたすなよ。」
「分かってる……そう言う君はどうなんだい? 蜜璃ちゃんとは何か進展あったのかい?」
「……。」
黙りこんだ伊黒に、追い打ちをかける。
「この前、二人で任務に就けるようにしておいたはずだけど……まさか何もしなかったのかな?」
俯いて動かなくなった伊黒に、溜め息をつきながら 聞いた。
「…さすがに文通は続いているだろ?」
「…続いているが、進展はない。」
「仕方ないなぁ。今度二人で食事にでも行けるように取り計らってあげるよ。……後は君次第だ。」
「あぁ。…宜しく頼む。」
少しの沈黙の後、二人で盛大に溜め息を付いた。
「これで何回目だ?」
「恋愛作戦会議 記念すべき第十回目だ。」
「長いなぁ、君も。そろそろ前に進みたいね。」
そう言うと、奴はばつの悪そうな顔で話を逸らした。
「そういえば、A。この後任「Aさん。」!」
「え、時透君?」
そこに、突然姿を現したのは、柱の一人、時透無一郎だった。
話の内容がアレだった為、変に集中していたせいか 声をかけられるまで全く気付かなかった。
と、そこで嫌な予感がした。
「時透君……いつから、そこにいた?」
「二人が、話し始めたところから。」
「「あ"あぁー。」」
二人で崩れ落ちるのを、時透君は不思議そうに見ていた。
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まゆまゆ(プロフ) - 愛する猗窩座と世の中で一番惚れてる実弥との作品 キュンキュンしながら読ませて貰ってます(*´∀`)嗚呼現実で猗窩座に愛してるって言われて接吻したい(//∇//)実弥にも包まれたい (2021年3月9日 12時) (レス) id: 442319c796 (このIDを非表示/違反報告)
酸漿(プロフ) - まりなさん» ご指摘有り難うございます。修正しました(^-^) これからもよろしくお願いします。 (2019年4月13日 19時) (レス) id: 511b02f073 (このIDを非表示/違反報告)
美桜 - 酸漿さん» コメント多くてごめんなさい。リクエスト嫌なのでしたら書かなくていいです。 (2019年4月10日 10時) (レス) id: 87339a530e (このIDを非表示/違反報告)
まりな(プロフ) - めちゃおもしろいですす!!あ、時任じゃなくて時透じゃないですかね、、違ったらごめんなさい!! (2019年4月8日 21時) (レス) id: 960cfe9f67 (このIDを非表示/違反報告)
酸漿(プロフ) - 美桜さん» ありがとうございます。これからも更新頑張ります。 (2019年2月11日 13時) (レス) id: 511b02f073 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:酸漿 | 作成日時:2018年9月30日 22時