Extraordinary 4 (ページ4)

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違和感④ ページ4

時刻は17時30分を過ぎた。

普段は閑散としているひまわり園のグラウンドだが、毎年この日は、たくさんの人で溢れかえる。

天気にも恵まれて本当によかった。浴衣で雨に濡れたら大惨事だ。

18時まで少し時間があったため、Aは会場をぐるりと散策することにした。

屋台、射的、金魚すくい、などなど
今年もたくさんのラインナップを用意してくれていた。

そんな中、ある出店のテントが目に入った。
他とは違って何故が、会場の端……仮設トイレに
近い場所だ。会場の中央に屋台が集結しているところにはまだ十分に空きスペースがあるにもかかわらず。

何故あんなところに……

怪しい匂いがプンプンするが、何故かそちらの方向に自然と歩いてしまった。

一体何の屋台なのか。

肉眼で店主の顔が判別できるぐらいの距離になった瞬間だった。

胡散臭い笑顔で全力で手を振る店主。

『へ……、ジンさん！？』

よく知った顔が何故か出店していた。

「よく来たね、Aちゃん。浴衣とても可愛いよ。和装がとても似合うね」

『あ、ありがとうございます……てか、本当にジンさん？一体何の屋台を……』

「あー、これこれ。良かったらおひとついかが？割引しちゃうよ？」

と言って、彼が業務用冷蔵庫から取り出したものは……

韓国人の家に絶対常備されている定番な食べ物、キムチ。

『キムチの屋台は初めてみました……でもキムチ売ってる露店って、大きなバットに山盛りにして並べてるイメージなんですが、密閉して冷蔵庫に保管してるんですね』

「誰かさんが匂いがどうのこうのって小言を言ってきたから仕方なくこういう売り方にしてるんだよね」

『お祭りなんてどこもかしこも焼きそばやら色々作ってますし、いろんな匂いが混じって、そこまでキツくはならないと思いますがね』

「そうだろ？僕もそう思ったんだけどねえ。是非とも今の会話を彼氏さんにそのまま伝えといてくれないかな」

『あ、もしかしてユンギな……』

「ふふ、まぁそういうこと」

変なところで神経質な男だ。

大雑把なのか雑なのかわからない時がある。

後で会ったら言っとかないとな……

あと、出店の場所も変えてあげなさいって。

本当にイジワルな奴なんだから……