NEO SKY, NEO MAP! (ページ36)

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34話運命の相手ページ36

秀太 side

いつもは個人レッスンだったり、メンバーと一緒のレッスンを受けていたが、今日は事務所の練習生と混じってレッスンを受けることになっていた。

久々だな、この空気。

数十人がレッスン室にいて、和気あいあいとしたこの感じ。

大きな鏡に向かって同じ振り付けをすることも。

練習生の子達にAAAのことや俺のことを知ってくれている子が何人かいて、休憩時間中も気さくに話しかけてくれた。

2回目の休憩時間の時、レッスンルームの扉からAが顔を出した。

「あら氷室さん？どうしたの？」と講師が問いかける。

「あれ氷室Aだ！」
「マジかよ！俺ら運めっちゃいいじゃん！」
「実物初めて見た！めっちゃかわいい！」
「顔ちっさ！」
「ほんとに存在するんだなぁ」

練習生達が色めき立っている。CM効果すげぇ。

彼女はまだデビューして2年しか経ってないのに、あんなに人気になるとは思わなかった。

「すいません、末吉秀太いますか？」

「ここだよー」と俺は彼女に手を振る。

俺に気づいた彼女はレッスンルームの中に入って俺の方に近づいてきた。

どこか神妙な顔つきだった。

「秀太、話があるんだけど」

「は、はい！」と俺は慌てて立ち上がった。

何だか怒られてるみたいなリアクションだ。

「_____私とユニット組んでほしいんだけど」

「ええー！？」と練習生の皆が声を上げて、俺達は注目を浴びる。

「ねえ、A、ほんとに俺で合ってる？

誰が他の人と間違えてない？」

出逢いのチカラは人気メンバーのにっしーと宇野ちゃんの恋人らしい雰囲気がぴったりで人気を博した。チューインガムはにっしーと直也くんの声の相性が良くて神曲のひとつだと思ってる。

俺は歌も上手くないし、当時はそんなに目立たないメンバーで、Aのように華も人気もなかった。

だからAが俺を選んだのが信じられなかった。人違いに違いないと思った。

「ううん、私がパートナーになってほしいと思うのは秀太だよ」

彼女がきっぱりと宣言する。

周囲のざわめきは収まらない。

「マジかよ」「私、今、すごい瞬間見ちゃった」「なんか意外だなぁ」

色々考えた結果、彼女の真剣な気持ちに応えて俺は「わかった」と答えた。