NEO SKY, NEO MAP! (ページ31)

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29話 MUSIC NOTE ページ31

「大学終わってこっち来たの？」と光が聞いてきた。

「うん、本当はサークルに顔出す予定だったんだけど、やっぱやめた」

「自分でサークル作ったんでしょ、凄いよなぁ」

「ほんとに作っただけだよ。

メンバー集めて名前考えただけ。運営は私の友達がやってる」

「なんでサークル作ろうと思ったの？他にも音楽サークルあったでしょ」と村ちゃんが言う。

「実はね_____ 」

大学に入学したばかりの頃、テント列っていう大学のキャンパス内に様々なサークルブースがあって、そこでサークルの説明を聞くイベントがあった。

うちの大学はインカレサークルが多かったので、他大学の学生も集まっていて、結構賑わっていた。

普通なら色々なサークルから「うちのとこ来て！」「うちのサークル興味ない？」って勧誘されるから、テント列を通り抜けるのに平均2、3時間かかるって言われている。

だけど、私と友達は勧誘が凄かったのは最初の方だけで、後ろのブースに行くにつれてビラ配りをスルーされるなんてことはしょっちゅうあった。

同じ大学の男子生徒や他大学の女子生徒が私達の顔を見て、存在していないかのように扱い、ビラ配りをスルーされた。

少し傷ついたけど、同じ大学の女性の先輩に聞いたら、私達はそういうもんだ、気にするなと言われた。

友達の付き添いで友達が興味あるサークルのブースに声をかけたら、「あなた達の大学の女子は入れません」と真顔で言われた。

大学名を聞かれて答えると、「時間の無駄だ」と舌打ちされたこともある。

その時初めて「○○大女子お断りサークル」があるのだと知った。

テニスのインカレサークルが30個くらいあるのに対し、私の大学の女子が入れるのはたった2つだけだった。

そんな感じで、私達が入れるようなインカレの音楽サークルがあるはずもなく、かといって○○大女子OKのサークルの活動内容も、私のやりたいことと違うし。

それで、私は友達と音楽サークル「MUSIC NOTE」を立ち上げた。私の大好きなジャズクラブの名前をもじった。

活動内容は主に地域の音楽好きな人達と公民館やライブハウスに集まってセッションをする。

私は色んな音楽性を持つ人と交流してみたかった。

同じ大学生だけの交流だったら、どうしても好きな音楽は片寄ってくる。色んなジャンルの音楽に触れてみたかった。

私はいつも週末の公民館やライブハウスの活動にしか顔を出さなかった。