NEO SKY, NEO MAP! (ページ4)

今日:19 hit、昨日:0 hit、合計:3,019 hit

2話いつもと違うわたしページ4

西島 side

アイロンで巻かれた長い髪に、バッチリ決めたメイクに普段は着ないような可愛らしいワンピースに白の厚底。

光とのデートだと思って相当気合い入れてきてるのは見て取れた。

「俺がいなかったら光とデートできたわけじゃん」

「いや、デートだなんてそんな」と彼女は顔を赤らめる。やっぱり光のこと好きなんだ。

最初出会った14歳の彼女はあまり感情を表に出さないロボットみたいで、宇野ちゃんにずっとくっついてるような大人しい子だった。

光と出会ってからは表情も柔らかくなったし、どんどん前に出るようになってきた。

人ってすごい変わるものなんだな。

「向こうがそんなこと思ってるわけないでしょ」と彼女は笑ってみせたが、心が閉じているような印象があった。

しばらくして光がやってきた。

「俺が最後かー、ごめん！」

「いいよ、余裕で間に合ってるし」とAは言った。

光は今日の彼女の格好を見てとても戸惑っていた。

「え、なんか……いつもと雰囲気違うね」

「そ、そう？いつも通りじゃない？」

「んなわけないよねー」と冗談めかして光に言うと水を差したのか、一瞬Aにキッと睨まれた。

そうは言っても、俺はいつもの方がいいと思う。

彼女は松田聖子や石川梨華やあややみたいな王道のアイドル路線に憧れているのだろうから今日みたいな勝負服を選んだんだろうな。

お人形さんみたいでいいと思うし、別に似合ってなくもないが、普段のAの方がいいと思う。

多分、光も同意見だろう。

いつも友達みたいにバカ話してた子がいきなり御粧御粧(おめか)ししてきたら、正直言って窮屈というかやりづらい。

光は多分、着飾ったAよりも素顔のままのAの方が好きなんだと思う。

「とりあえず行こうよ、もう並んじゃってるかもしれないし」

「あっ、そうだな」と光は頷いた。

光を真ん中にして俺達は歩き出した。

「ってか、光、久しぶりだねー」

「うん、確かにー」と彼は言って一瞬、目が合ったがすぐに逸らされた。

久々に会ったからなのか、人見知りされてていて初期状態に戻っているようだ。

どうやったら秀太とか日高みたいに仲良くなれるんだろう。

タイミングは伺っているが、今日はAがいるからナシかな。

「ねぇ、今日のAの服装どう思う？」と聞いてみた。

「似合ってるよ。なんか加護ちゃんが衣装で着てそう」

「ほんとに！？」と彼女は喜んでいる。