27話 ハローニューワールド ページ29
You side
いよいよ夏本番になってきた。春用の長袖ワイシャツで過ごすのも少し厳しくなってきたようだ。
そろそろ夏のワイシャツに衣替えしよう。
本当はTシャツと短パンで過ごしたいが、日焼けするわけにもいかないし一番無難な服装だから、冬が来るまではとりあえず夏用のワイシャツを着続ける。
レッスン終わりに水島さんに次のライブである提案をされた。
「ユニット……？」
「氷室の歌の実力はファンの人にも世間にも認められているし、ちょうどいい機会だと思うんだ。
そういえば、ライブで誰かと2人で歌ったこととかないだろ」
「あ、はい。AAAの歌の中でハモリをしたりとかはありますけど、実彩子とにっしーみたいにデュエットでまる１曲とかはないです」
「ファンが見たいのは『氷室A』の新たな一面だと思う。1人で歌う姿じゃなくて、誰かと歌う姿」
「あの、水島さんがペア決めるんじゃないですか?出逢いのチカラの時もそうだったでしょう」
「確かにそれは俺が決めたから、あの傑作が生まれたんだよな。
だけど今回は氷室の意思を尊重しようと思うんだ。
今回のユニットは氷室がこいつだと思うパートナーをメンバーの中から探してきてほしい。
俺が決めるよりも、そっちの方がいいものができると思うから」
「わかりました……誰でもいいんですよね？私が決めた人なら」
「ああ。任せたぞ。じゃあまた」
私はユニットの曲はすでに完成されていた。
曲名は「DUE NOVA」
イタリア語で2つの新星って意味。
曲もEDM調で今までのAAAにはない感じ。また新しい可能性が生まれそう。
「つま先で立って星に手を伸ばした一日」か。歌いだしの歌詞だ。
私のパートナー……いったい誰なのかな。
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作者名：西木野海未 | 作成日時：2021年10月5日 3時
