NEO SKY, NEO MAP! (ページ28)

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26話消えた恋心ページ28

「ってか、Aと秀太んところはほんと平和だよなぁ。結成する前から仲良かったんだっけ」と野田氏が言う。

「そだねー。俺がAにダンスとか教えてたの」

もしかすると、彼女は秀太君のように長男気質な男らしい子が好きなのかもしれない。

俺は性格的に言うと、日高くんの方に似ていた。あの子はチャラい人間は苦手なんだろう。

俺の彼女に対するイメージがみるみる変わっていく。それと同時に彼女の興味もより一層薄れていった。

よく考えたら、あのグループの一員としてすでに3年以上はやってきたはずだ。気が強くないわけがない。自分よりも年上の男と口論するってことはよほどだ。

ふと彼女のほうに目を向けると、さっきまで芸人に囲まれていたはずなのに、いつの間にか與君と言い争いを始めている。

耳を傾けてみたら、ラーメンは塩が良いだの醤油の方が美味しいだの、不毛な争いだ。

「ホントだ、超気強い。やっぱ俺、いいや。さっきの忘れて」

こうして約2年続いていた俺の微かな恋はものの数十分で終わりを告げた。

「斉藤くんの気持ちはわかる、俺も同じ立場だったら一目惚れしてた」と日高くんは慰めるように俺の肩を叩く。別にそこまで落ち込んでないけれど。

「そうだよ、また他にいい人いるって」

「ありがとう」

野田氏とこの子達の関係はずっと続いていくだろうけど、俺とこの子達が顔を合わせるのはこの先数えるほどしかないだろう。

斉藤時代の俺はそう思っていた。