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デジャ・ヴ ページ1

「ええと・・・」
ヘキサグリア一同の視線が一ヶ所に向けられる。
一同と言うのは語弊があるかもしれない。視線を向けたのは詳しく言うならばアーノルド、マティウス、デボラの三人である。
視線の先には、ピンク髪の少女―リリィ。
そしてその後ろに隠れるように、若草色の髪の大柄な少女が目をきょときょとさせながら立ち竦んでいた。少女と言えど、リリィよりは幾分も年上だろう。

「その・・・はじめまして、なのですよ〜・・・」
大きな体を限界まで縮こまらせ、おどおどしながらそれだけ言うと助けを求めるようにちらちらとリリィを見やる。
「・・・もう、それだけなの?全く、体は大きいのに気は小さいのね〜」
一方のリリィは苦笑いすると自分の後ろに隠れようとする女をぐいぐいと押し前に出す。
緑髪も怯えつつ、しかしリリィに抗うことなく前へ出た。
「その・・・この、リリィちゃんって子に連れてこられちゃったのですけれどね〜・・・えっと、そのぅ・・・自分は、シェリーと言うのですよ〜。・・・シェリー・アルチェスタ・・・という名なのですよ〜・・・」
緑髪―シェリーは、どうにか名前を言い、まるで赤子のそれのような、みっちりとして柔らかく、そして太い腕を同じく太い胴の後ろで組み、後ずさる。

「そ、そうか・・・」
三人もまた、シェリーに揃って同じ台詞を吐き、そして目のやり所に困るように視線を泳がせた。
シェリーの身につけているパーカはバレーボール程もある胸と大玉の西瓜でも飲み込んだのかとでも言いたくなるような腹に限界まで張り、今にも張り裂けそうである。スカートも異常なまでに短く、色々な意味で「見てはいけない」といった雰囲気を醸し出していた。

「ええと・・・リリィちゃんリリィちゃん、シェリーは一体・・・どうしたらいいのですか〜・・・?お里に帰してはもらえないのですか〜・・・?」
「うーん、無理ね!だって、ここまで連れてきちゃったんだもの!」
そんな、と言いたげなシェリーを見上げ、リリィは悪戯に笑った。
「それに、アンタだって何も言わずにアタシについてきたんじゃない!」
「ふぇ・・・シェリーはまさか、こうなるとは思ってなかったのですよ・・・それに、半ば強引だったじゃないですか〜・・・」

どんどん消え入りそうになる声を最後まで聞かないうちに、マティウスは心底うんざりしたように唸り、座っていた椅子に体を任せ仰け反り、奥の手と合わせた計四本の手で頭を抱えてしまうのだった。

魔導師?→



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- オリジナルフラグちゃんと外しましょう。違反行為です (2018年8月18日 23時) (レス) id: 7369816925 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:いけちゃん | 作成日時:2018年8月18日 23時

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