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16 side B ページ21

この世界は、矢ッ張り何かが可笑しい。


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「……なぁ、A」

日はもう暮れに近い。昼が短くなってきたということは、夏ももう終わりに近いのか。

自らを大人と評する割に、口回りを何時もの珈琲で薄茶色く染めた少女に声をかけた。彼女はぐいと手の甲でそれを拭い、黒目がちの瞳を此方に向けて笑む。なんですか?と問うように。

「もう此処には来るな、と言ったらお前は此処に来なくなるか?……ならないか」

間髪入れずに首を横に振ったAの答えは解りきっていた。面白い冗談だと言う風に笑みを浮かべて、腕でで大きくバツを作っていた。

その瞳は何時も人懐っこい様で、おどけて居るようで、何処かに憂いの色を讃えて居るのだ。

何時も何かを守っていて、「それを壊さないで」と乞うように俺の様子を伺うのだ。


「初めて会った時、お前は俺に「仲良くなりたい」と言っただろう?何故あんなことを思い付いたのか今でも気になるんだが」
『直感』
「またこのパターンか」

またもや彼女はめいいっぱい悩んだ。回答を探るようにペン先をさ迷わせて。

初めの時と寸分たがわぬ変顔を披露してくれたAに小さく笑う。

こうでもしなければこの子は「普通に」笑わない。何かに怯えたような笑顔の片鱗を、一瞬だけでも消してやりたくて。

しかしながら、自分にそんな方法がそう幾つも思い付く筈も無かった。

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(プロフ) - 私の乏しい語彙では表せないくらい素晴らしい文章です……! (2018年10月18日 16時) (レス) id: 1ef65eb65d (このIDを非表示/違反報告)
オワリ - コメント失礼します。紡がれる文章と物語、とても素敵で私の好みにどんぴしゃりでした。私の語彙力がなく上手く自分の感情を文字にできないのですが、素晴らしい話だと思いました。勝手ながら、応援させていただきます。ありがとうございました。 (2018年1月3日 23時) (レス) id: 904d1ac963 (このIDを非表示/違反報告)
ラシェーヌ(プロフ) - こんな素晴らしい小説を読ませてくださってありがとうございました!! (2018年1月3日 16時) (レス) id: dd1aad4bf1 (このIDを非表示/違反報告)
ラシェーヌ(プロフ) - コメント失礼します。とても美しいお話でした! 織田作さんと彼女のかけ合いが素晴らしくピッタリで、最後の国木田さんと太宰さんの会話も「蒼の使徒」を思い出してうるっときました。とにかく泣きました! (2018年1月3日 16時) (レス) id: dd1aad4bf1 (このIDを非表示/違反報告)
みかこ(プロフ) - 悠誠様からコメント頂けるなんて…態々ありがとうございます涙中々に悲しめの最後になってしまいましたが、そう言って頂けると幸いです!私こそこれからも応援させて頂きたいです!本当にありがとうございました! (2017年12月16日 22時) (レス) id: 243d49e4e1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みかこ | 作成日時:2017年10月22日 16時

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