ジェイコブと再会 ページ20
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「────ぶ?大丈夫?メラ!」
は、と。思考に沈んでいたメラは、肩を軽く揺さぶった温かい手に意識を引き戻される。
街中の路上。ずっと呼んでくれて居たのだろうか。ニュートの心配そうな顔と、ティナの怪訝そうな顔が、同時に視界に飛び込んだ。
「具合でも悪い?今日は沢山走り回ったし疲れたんじゃ……」
「……マスター、心配してくれるのは嬉しいけど、本当に貴方私を何歳だと思ってるの?」
さっきせっかく20才を肯定してくれたと思ったのに。拗ねた口調でニュートの手をそっと肩から外したメラに、彼はふと眉根を寄せる。
「……さっき偉い男の人と話してたけど何か言われた?」
「え、」
「何だか──こう、元気がないから」
───なんで対人下手くそなのにそこだけ鋭いの!
真剣に案じてくれているのは分かるのだが、何だか変な所で呆気に取られた。
いや、彼の対人が下手なのは必要以上に回りの顔色を伺ってしまうからじゃ、とは前々から思ってたけど。動物の異変や不調を見付けるのは声の聞こえる私より早いんだから、鋭いのは確かなんだけど。
それなら私が子供扱いを嫌がる理由を察してくれても良いのに!
「……流石のマスタークオリティね」
「え、なに?」
「何でもないわ。私を一目見てドラゴンって当てた人、貴方以来だったから驚いたの」
嘘は吐いていない。ティナに聞こえないように耳打ちしながら、彼女は内心で一人ごちる。私はもうただのスクイブじゃない。頬のざらつく鱗を撫でて、僅かに乱れた息を整えた。
───何て言われても後悔は無いわ、と。
「……そんな事よりマスター、この角の右からあの子達の声がするんだけど────わぁお」
「何の声ですってメラさ……ん?」
ざわざわ、人だかりの黒山が小さな建物に群がる光景。大穴の空いた安アパート、住民達と野次馬の雑多な叫びに警官は翻弄され、さながらその場は大騒ぎの体を成していた。
余りの惨状にメラは
少女はニュートと顔を見合わせ、お互いの顔が盛大にひきつっているのを確認した後───またもや途方に暮れた。
「
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みかこ(プロフ) - るとさん!読んでくれてありがとう(涙)やっちゃった……こう言うのは勢いだよね((ジェイコブさん良いよね!めっちゃええ人……(尊い)むらむら更新だと思うけどのんびり頑張るね(゜∇^d)本当にありがとう! (2018年12月19日 8時) (レス) id: 243d49e4e1 (このIDを非表示/違反報告)
木兎宮ると(プロフ) - おお!ついに公開したのだねっ!!(歓喜)ニュートも好きだけど、ジェイコブさんが本当に好き(尊い)ので沢山出しておくれ…(願望)無理せずに更新頑張ってd( ̄  ̄) (2018年12月18日 19時) (レス) id: 68f0c4b0f7 (このIDを非表示/違反報告)
みかこ(プロフ) - 衛さん» わああ衛さんまで駆け付けてくださって……感謝の言葉が見つかりません嬉しいです(つД`)ジェイコブさんも大好きなので絡ませて行きたい……ゆるっと頑張りたいと思っておりますので気力続く限りお付き合い頂ければ幸いです(涙) (2018年12月17日 0時) (レス) id: 243d49e4e1 (このIDを非表示/違反報告)
みかこ(プロフ) - アイカ@低浮上さん» イメログからありがとうございます!何だか絵だけじゃ物足りない気がし始めてしまって……あれよあれよと勢いで公開してしまいました汗お褒めの言葉までありがとうございます!精進します( ;∀;) (2018年12月17日 0時) (レス) id: 243d49e4e1 (このIDを非表示/違反報告)
みかこ(プロフ) - アバンギャルド・マボさん» マボ様に読んで頂けたなんて幸いです(涙)そして恐縮でございます汗応援ありがとうございます!自分なりに頑張ります( ´∀`) (2018年12月17日 0時) (レス) id: 243d49e4e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みかこ | 作成日時:2018年12月16日 20時