ティナと逮捕 ページ18
蓋が空いた瞬間、一室に充満した小麦、バター、
メラが言い当てた、マグルの男の鞄の中身。事態を察したニュートがはっと息を飲み、そわそわと動きが落ち着かなくなった。
ティナは呆気に取られ、グレイブスは困惑混じりの苦笑を浮かべる。やってしまったねと言わんばかりに。
三者三様の感情が入り交じった沈黙の中、メラは必死に思案する。
疑いは晴れた。でもそれ以上に最悪の事態になった。いや、捕まるのとどっちが不味かったかは微妙な所だけど……とりあえずマグルのおじさまを探さなきゃ───
ぐるぐる、当たり前の事をなぞるように考えては焦れる。向こうだって、近い内にトランクの蓋を開けるだろう。中身はパンだと思ってるのだ、その時はきっとすぐだ。
「ねぇ、早く」
「おや、お嬢さん。疑いが晴れたのにあんまり嬉しそうじゃないな」
無意識にニュートの袖を引こうとしたメラの手を、囁くような声と黒いコートが遮った。自然に、一人を対象として落とされた小さな声に彼女は眉をしかめる。
「……勝手に疑われて逮捕されただけよ。今私達とっても急いでるの」
「それはすまないね、レディ。スクイブだそうだが……ドラゴンに親戚は?」
「真面目な顔して可笑しな
訝しむメラにグレイブスは口角を上げる。柔和に細められた瞳は端から見れば完璧で、彼女から見ればどこか歪なモノだった。
────人の深淵を覗き、闇を暴き、一番柔らかな所をすぐに見つけ出すような。あぁ、私が苦手なのはこの男の雰囲気とかそんなのじゃなくって
「無知が産んだ
君こそ随分可笑しな姿だ」
420人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みかこ(プロフ) - るとさん!読んでくれてありがとう(涙)やっちゃった……こう言うのは勢いだよね((ジェイコブさん良いよね!めっちゃええ人……(尊い)むらむら更新だと思うけどのんびり頑張るね(゜∇^d)本当にありがとう! (2018年12月19日 8時) (レス) id: 243d49e4e1 (このIDを非表示/違反報告)
木兎宮ると(プロフ) - おお!ついに公開したのだねっ!!(歓喜)ニュートも好きだけど、ジェイコブさんが本当に好き(尊い)ので沢山出しておくれ…(願望)無理せずに更新頑張ってd( ̄  ̄) (2018年12月18日 19時) (レス) id: 68f0c4b0f7 (このIDを非表示/違反報告)
みかこ(プロフ) - 衛さん» わああ衛さんまで駆け付けてくださって……感謝の言葉が見つかりません嬉しいです(つД`)ジェイコブさんも大好きなので絡ませて行きたい……ゆるっと頑張りたいと思っておりますので気力続く限りお付き合い頂ければ幸いです(涙) (2018年12月17日 0時) (レス) id: 243d49e4e1 (このIDを非表示/違反報告)
みかこ(プロフ) - アイカ@低浮上さん» イメログからありがとうございます!何だか絵だけじゃ物足りない気がし始めてしまって……あれよあれよと勢いで公開してしまいました汗お褒めの言葉までありがとうございます!精進します( ;∀;) (2018年12月17日 0時) (レス) id: 243d49e4e1 (このIDを非表示/違反報告)
みかこ(プロフ) - アバンギャルド・マボさん» マボ様に読んで頂けたなんて幸いです(涙)そして恐縮でございます汗応援ありがとうございます!自分なりに頑張ります( ´∀`) (2018年12月17日 0時) (レス) id: 243d49e4e1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:みかこ | 作成日時:2018年12月16日 20時