ティナと逮捕 ページ14
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「────第3条のAに反するわ
貴方達を連行します」
「全部不可抗力よ、皆逃げるんだもの。仕方ないじゃない!」
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不味いことになった。不味いことになった!
メラはこの上無く慌てていた。
目眩のするような超高層ビル。行き来する人達の間を抜けながら、ニュートとメラは本当に連行されてしまっていた。
マグルの記憶を消さずに逃がしたせいで。
姿くらましは便利だけどこう言う時には不利だ。対策を考える時間が無い。あっという間に到着したウールワース・ビルは、闇祓いを納得させられるだけの言い訳を待ってはくれなかった。
「あの──すまないけど、僕達いろいろ用事があって」
「あら、そう。そっちはまたにして」
ティナがニュートを引っ張りながら歩き、それを邪魔する重石のようにメラがニュートにしがみつく。
「はーなーしーて!」と怒りながら抵抗を試みるが、ティナはピシャリと「貴女も連行されてるのよ」と相手にしない。
──事実、彼女ごとずるずると引っ張られて連れていかれているのは確かだった。
「そもそも何しにニューヨークへ?」
「バースデー・プレゼントを買いに」
「私達のおばさまの葬儀なの」
「はあ?」
ティナの問いに答えが被る。嘘でしょ。ニュートとメラは思わず目を見合わせた。被ったのはタイミングだけで内容の食い違いは最悪だ。
「おば……おばさまの葬儀が終わった後、私がねだったのよ。
「……中々に不謹慎ね」
「あんまり会った事が無い人だったんだもの」
二人の言い訳を仕方なしに合わせた結果、架空のおばさまが悲しいことになってしまった。実在しない人相手に罪悪感さえ感じてくる。
「あー……彼女の欲しがったアパルーサ・パフスケインのブリーダーは、ここニューヨークにしかいないんだ。だから……」
嘘を重ね重ね。ニュートの付け加えた設定にも乗っかって、メラはただひたすらに頷く。
───パフスケインって何だろう?
そんな疑問を悟られないように笑顔まで浮かべて見たが、ティナが連行を取り止める位素晴らしい言い訳ではなかったらしい。
彼女は淡々と警備員に罪名らしきものを告げた。
「第3条のAよ。」
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みかこ(プロフ) - るとさん!読んでくれてありがとう(涙)やっちゃった……こう言うのは勢いだよね((ジェイコブさん良いよね!めっちゃええ人……(尊い)むらむら更新だと思うけどのんびり頑張るね(゜∇^d)本当にありがとう! (2018年12月19日 8時) (レス) id: 243d49e4e1 (このIDを非表示/違反報告)
木兎宮ると(プロフ) - おお!ついに公開したのだねっ!!(歓喜)ニュートも好きだけど、ジェイコブさんが本当に好き(尊い)ので沢山出しておくれ…(願望)無理せずに更新頑張ってd( ̄  ̄) (2018年12月18日 19時) (レス) id: 68f0c4b0f7 (このIDを非表示/違反報告)
みかこ(プロフ) - 衛さん» わああ衛さんまで駆け付けてくださって……感謝の言葉が見つかりません嬉しいです(つД`)ジェイコブさんも大好きなので絡ませて行きたい……ゆるっと頑張りたいと思っておりますので気力続く限りお付き合い頂ければ幸いです(涙) (2018年12月17日 0時) (レス) id: 243d49e4e1 (このIDを非表示/違反報告)
みかこ(プロフ) - アイカ@低浮上さん» イメログからありがとうございます!何だか絵だけじゃ物足りない気がし始めてしまって……あれよあれよと勢いで公開してしまいました汗お褒めの言葉までありがとうございます!精進します( ;∀;) (2018年12月17日 0時) (レス) id: 243d49e4e1 (このIDを非表示/違反報告)
みかこ(プロフ) - アバンギャルド・マボさん» マボ様に読んで頂けたなんて幸いです(涙)そして恐縮でございます汗応援ありがとうございます!自分なりに頑張ります( ´∀`) (2018年12月17日 0時) (レス) id: 243d49e4e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みかこ | 作成日時:2018年12月16日 20時