Dragon girl【ファンタビ】

魔女狩りと逃亡 ページ3

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「マスター、何をそんなに微妙な顔してるの？」


「……君が鱗を取っちゃった事」


「たった１枚よ。作り物だって言わないと先に進まないじゃない、ニューヨークなんて」


「ドラゴンの鱗をオモチャだなんて。無理矢理剥がすモノじゃ無いのに、言い訳位で」


「マスターって私をオカミーか何かのヒナだと思ってない？」


失礼しちゃうわ！とメラは頬を膨らませた。失礼の度合いならさっきの役人の方がかなり上なのだが……


彼女的には病気だなんだと見た目について言われた事より「娘さん」を否定しなかったニュートの方が腹立たしかったのである。



───だって私20よ。マスターは29じゃない！



許容範囲はギリギリ妹までではないだろうか。いや、メラだってニュートをご主人(マスター)と呼ぶのだから、使用人(メイド)だって言い訳しても怒らない。


だけど娘は怒る。
完全な子供扱いだもの。


彼と彼女の間では、度々これを巡るケンカが起きる。……といっても、メラが一方的に拗ねるだけなのだが。


────20って言えば立派な淑女だわ。一人前として扱いレディーファーストを忘れず、しまいには女性として意識してくれても良い筈よ。


それが彼女の持論だが、いかんせんハードルが高かった。


まずメラの見た目が年齢のわりに、10か11歳程度の少女でしかないこと。


次いで彼女がドラゴンの鱗を持つ───否、色々とドラゴンの特性を持ち合わせた身体の、特殊な「ドラゴン混じり」であること。


それでもニュートはメラを友人(ビースト)と同じように扱い、不器用な彼なりに大切にしてくれるけれど───出会って数年、そこから関係性が微動だにしていない。


娘扱いは殆ど定着し、もともと実年齢や周りの思う関係……なんてものに頓着しない彼は、特に気にせずさらりと流し続ける。本当に、全く気にせず！


こうなってくると最早、意識もへったくれもなかった。



───そして。

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