story-12- ページ12
エースが飛び出した次の日。
サッチが目を覚ました。だが、ハクの意識は戻らない。
マルコは海を見詰めていた。
リ｢どうも｣
後ろから、声がした。
マ｢ああ。リーシェかい｣
マルコは振り返る事なく、返事をする。
リ｢考え事ですか？｣
マ｢そうだねい･･･｣
フッと笑みを漏らした。
リ｢マルコさん。こうなったのは、誰のせいでもありませんよ。勿論、貴方のせいでも｣
マルコは驚いたようにリーシェを振り返った。
リ｢自分がもっと早くに察知していれば、何て思わないで下さい。誰も貴方が思い詰める事を願ってなどいません｣
マルコの横に並び、微笑む。
リ｢人とは、欲のために生き、裏切る。そういう生き物だと私は思っていました。ですが、貴方方の堅い絆に感動しているのです｣
そっとマルコの手を取ろうとする。だが、その手は透けて通り抜けてしまう。
リ｢お辛い気持ちは分かりますが、こういう時のために、貴方には家族がいるのでは？｣
マ｢･･･ッ、そうだねい･･･｣
リ｢それと･･･あ、厚かましいとは思いますが、もし宜しければ私の事も･･･そのォ･･･家族と呼んで欲しいというか何というか･･･。あ、すみません！調子に乗りすぎました！｣
マ｢家族だよい･･･｣
リ｢え？｣
驚いたリーシェは、口を手に添えた。
マ｢リーシェも、家族だ。だから敬語もやめろよい｣
リ｢あ、ありがとう･･･｣
マルコは、リーシェの頭を撫でようと手を伸ばす。
だが、呆気なくその手は通り抜ける。
2人は、埋まらない距離を感じた。
リ｢･･･私、これ程この状態である事を悔やんだ事って･･･ない｣
顔を手で覆ったリーシェの肩が小刻みに揺れた。
マ｢な、泣くなよい｣
リ｢私･･･ハクが起きている間は表に･･･出られない。でも･･･ハクには幸せになって欲しい･･･。それなのに、この時間がずっと続けば良いのになんて思って･･･汚いよね。こんなの汚いよ｣
マ｢汚くなんてないよい。誰だって幸せになりたいと願うもんだよい。リーシェは汚くなんかないよい｣
触れる事は出来ないが、その温もりは確かにリーシェへ伝わった。
リ｢ありがと･･･｣
ニコッと微笑んだリーシェは、太陽のようで、とても美しいと思った。
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アワアワ - 凄い面白かったし凄い感動しました😭もう10分くらい泣いていました！！これは本当に神作だと思います！この小説を生み出してくれてありがとうございます!! (2023年1月17日 11時) (
レス) @page38 id: 2db5ff9399 (このIDを非表示/違反報告)
yone(プロフ) - 八乙女蕎麦さん» ありがとうございます！最後は簡潔に終えられるよう意識していたので、嬉しいです！ (2019年9月29日 21時) (レス) id: f93aa7129f (このIDを非表示/違反報告)
yone(プロフ) - 蒼の火さん» レス遅くなってしまってすみません！コメント、ありがとうございました！ (2019年9月29日 21時) (レス) id: f93aa7129f (このIDを非表示/違反報告)
八乙女蕎麦 - コメント失礼します…最後…最後が凄くて泣いてしまいました( ノД`)…文を見てわかると思いますが感動しすぎて語彙力がなくなってしまいました( ノД`)…これかやも頑張ってください( ；∀；) (2019年9月29日 20時) (レス) id: 65acce4bcd (このIDを非表示/違反報告)
蒼の火(プロフ) - 待って泣いてもうた…悲しすぎるやろ… (2019年9月19日 23時) (レス) id: 1cb97f1d61 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yone | 作成日時：2019年8月2日 23時
