10と7つ目の約束 ページ21
行政side
『つーーまーーんーーなーーいいいいいいいい！！！！！』
とある日、突如鳴禽籠に響いた声。
時間的にもきっと今日の課題も終わった頃なのだろう。
“ やることないよぉぉぉぉーー ”と叫ぶAの声を聞きながらも手をとめずに仕事を進めていく。
「行政様、よろしいのですか？」
ふと口を開く奉公人に、勘づいてはいるけれど何の事だと問う。
「A様のことです。いつもすぐお傍に向かうので、本日はよろしいのかと思いまして……」
「もちろん向かいたいところですが思った以上に仕事が溜まっているので」
「そうですか……」
そんな会話をしつつ、2人で仕事を進めていく。
少しの間、Aの叫ぶ声が響いていたのだが、しばらくすると聞こえなくなった。
疲れて寝てしまったのだろうか。
先程まで騒がしかったのにも関わらず、静寂になった廊下に不安を抱き、少しこの場を離れようと立ち上がる。
「少し様子を見てきます、あとはお願いしますね」
「畏まりました、お任せ下さい」
そして席を離れドアへ向かい、開けようとした途端、扉がバッと開いた。
『ぎょーせー！！！』
開いた扉からぴょこっと顔を覗かせるA。
僕が行くまでもなかったか
「どうしたんだい？さっきまで叫んでいただろう何かあった？」
Aの目線に合わせ、しゃがみながらそう言う。
すると、Aはすごい笑顔でこう言った。
『あのね！！！ハルが来てくれたの！！！』
「……は？」
イツキが此処へ？珍しい。
「へぇ、あのイツキが鳴禽籠へ…。今どこにいるんだい？」
『え？ここにいるよ？』
Aが“ ほらっ！！”っと後ろを振り返ると、扉の影になっていたのかイツキがスっと出てきた。
「やぁ、イツキ。君がここに来るのは珍しいですね」
「確かにな。仕事の件だ、今平気か？」
「あぁ、大丈夫ですよ。……ですが、少し応接間に行きましょうか」
「わかった」
僕に続いて部屋を出ようとすると、ふと袖口が引っ張られた。
『…私も行っちゃダメなの？』
「大事なお仕事の話だから待っていておくれ？」
『……。ねぇ、ハル。だめ？？』
「……ぐっ…ダメだ。戻ったら遊んでやるから、な？？」
僕がダメなら、と、イツキの裾もくいくいっと引っ張り上目遣いで聞いてくる。
そんなAの手を払うのは本当に心苦しかったが、どうにか言い聞かせ、待ってもらうこととなった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 127人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「愛され」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
カスミソウ(プロフ) - EMIKOさん» はーい！！待ってますね！！ゆっくりで大丈夫なので、えみこさんがかける時にお願いしますっ！気にしてないので平気ですよ〜こちらこそ申し訳ないです… (2019年4月2日 0時) (
レス) id: 9ef8fa1231 (このIDを非表示/違反報告)
EMIKO(プロフ) - わかりました!!出来上がり次第送ります!!夜分遅くすみません、、、 (2019年4月2日 0時) (レス) id: 04697b5525 (このIDを非表示/違反報告)
カスミソウ(プロフ) - EMIKOさん» お！良かった！！では、『@4qaMsFoB8NitHrn 』にお願いしますっ！！ (2019年4月2日 0時) (レス) id: 9ef8fa1231 (このIDを非表示/違反報告)
EMIKO(プロフ) - やってます!!もちろんです!!自分も仲良くしてください!! (2019年4月2日 0時) (レス) id: 04697b5525 (このIDを非表示/違反報告)
カスミソウ(プロフ) - EMIKOさん» 送る場所……ううむ……Twitterとかやっていますか…？もしやっていればアカを教えるのでそちらに送っていただきたいです……！！(あわよくば仲良くしてください…っ) (2019年4月2日 0時) (レス) id: 9ef8fa1231 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：瑠璃唐綿 | 作成日時：2019年2月8日 10時
