9つ目の約束 ページ12
行政side
『えぇー……行かないの…??私行きたい……』
その時少し考えてしまったため、Aに返答が遅れてしまった。
過去のことがトラウマになってしまっていることもあり、Aが“やりたい”と言ったものには基本即答するようにしている。
Aの全身に力が入り、手をぐっと握りしめながら僕に縋るように言ってきた。
『……あ、あのね。やっぱり、あの、私…行かなくていいや。
あの、えっと、だから、その………』
きっとこのあと続くのは “捨てないで” 。
近くにいる僕でさえ聞き取りにくい、蚊の鳴くような声で話すAに、僕はわざと被せて言った。
「そうですね、急に行きたくなりました。久々にお邪魔しても良いですか?司法」
「もちろんだよ〜Aもおいで〜」
司法に目配せをすると、分かったように小さく頷きAに話を振る。
これだけでは不安を取り除けていないだろう。
そう思った僕はAの目線に合わせるように、目の前にしゃがみ込み、真っ直ぐと見つめた。
「A、お菓子を食べに司法のとこに行こうか。一緒について来てくれるかい?」
『……で、でも……』
「良いんだ。自分のやりたいことをやりたいって言っても」
「そーだよ〜。A白州獄来たいんやろ?行政も行きたい言うとるし、遠慮せんでもええんやよ」
まだ少し震えている名前を壊さないよう優しく抱きしめる。
司法も近寄り中腰になってAに言い聞かせた。
『ほんとに…??』
「「あぁ。/うん。」」
『じゃあ……行く………』
「よし、決まりやねぇ〜帰る時にギョマケセラ買ってこ?」
司法がAの手を取りながらそう言うと、先程では見れないような笑顔で “ギョマケセラ……!!!”と喜んでいた。
「いい案です。おやつにも丁度いいですね、買っていきましょう。お店も近いことですし」
『うん!!買う!!』
ギョマケセラを売ってるところは少なく、僕がいつも買っているところへと向かう。
Aは向かっている最中も上機嫌で鼻歌を歌っていた。
とりあえず落ち着いたみたいなので良かった……。
Aの過去を知るのは、僕と、司法、立法、イツキの4人のみ。
A自身、鮮明には覚えていないという。
だけどそれでいい。
あんな奴らの事なんて、覚える価値もないのだから。
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カスミソウ(プロフ) - EMIKOさん» はーい!!待ってますね!!ゆっくりで大丈夫なので、えみこさんがかける時にお願いしますっ!気にしてないので平気ですよ〜こちらこそ申し訳ないです… (2019年4月2日 0時) (レス) id: 9ef8fa1231 (このIDを非表示/違反報告)
EMIKO(プロフ) - わかりました!!出来上がり次第送ります!!夜分遅くすみません、、、 (2019年4月2日 0時) (レス) id: 04697b5525 (このIDを非表示/違反報告)
カスミソウ(プロフ) - EMIKOさん» お!良かった!!では、『@4qaMsFoB8NitHrn 』にお願いしますっ!! (2019年4月2日 0時) (レス) id: 9ef8fa1231 (このIDを非表示/違反報告)
EMIKO(プロフ) - やってます!!もちろんです!!自分も仲良くしてください!! (2019年4月2日 0時) (レス) id: 04697b5525 (このIDを非表示/違反報告)
カスミソウ(プロフ) - EMIKOさん» 送る場所……ううむ……Twitterとかやっていますか…?もしやっていればアカを教えるのでそちらに送っていただきたいです……!!(あわよくば仲良くしてください…っ) (2019年4月2日 0時) (レス) id: 9ef8fa1231 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:瑠璃唐綿 | 作成日時:2019年2月8日 10時