透明人間 ページ14
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君の”透明人間”になってから約2ヶ月が経った
「早いなぁ…」
僕は時の流れの早さを残酷に思いながら
ソファーで寝ている君の頭を撫でた
「起きちゃうかな」
僕は猫のように蹲る君を見てそう呟いた
君は本当に猫みたいだ
見た目も話し方も仕草も全てが君は猫に似ていた
きっと周りから見たら僕達はまるで猫と犬だろう
猫に愛想をつかされて無視されてそれでも懸命に話しに行く犬、
猫と犬はきっと言葉が通じないから
僕達の今の状態はまさに犬と猫のそれだろう
「…はぁ、全く いつになったら気付いてくれるのやら」
このままここで寝ていたら身体を痛めてしまうだろう
僕はそう思い君をおぶって寝室へ向かった
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「…何でそんなに優しいんだよ、バカ」
私はどうしようもなく泣きそうになり
それを隠すように君の背中を小突いた
「なんでだろうね」
その時答えられないはずだった独り言に答える声が聞こえた
「え…」
まさか答えられると思わなくて、聞こえてると思わなくて
私が慌てていたら君は後ろを向いて微笑んできた
「バッチリ聞こえてたよ」
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「な…な」
僕を見て慌てている君を見て僕は思わず笑みが溢れた
久しぶりに君と話すことが出来た
久しぶりに君と目を合わすことが出来た
それだけが、普通だったらなんてこともないようなことが、
ただただ今の僕にとっては嬉しすぎることであった
僕は君をベッドにおろしてベッドの淵に座った
「やっと気付いてくれた」
僕が君に笑いかけると君は何かが溢れたのか
顔を逸らしながら僕の膝の辺りを叩いてきた
僕はその行動すらも愛おしく感じてしまい君の頭を優しく撫でた
そしたら君はやめてだのなんだの言いながら、
でも僕の腕を止めようとはしてこなかった
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「ばっかじゃないの」
私は君の笑顔を見て悩んでいたことが馬鹿らしくなった
そうだ、そうだった
この人は私のことを何よりも大切にしてくれていて
この人にとっては私といることが幸せだったんだ
「そうかもしれないな」
そう言って笑った君のことが私はどうしようもないくらいに好きなんだ
もう手遅れなほどに君のことが好きなんだ
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「…ありがと」
君は僕の方を見て微笑みかけてきた
その笑みを見て僕は自分の胸が高なったのがわかった
僕はつくづく単純な男だと思う
君の笑顔だけでここまで気持ちが高ぶってしまうのだから
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さくらもち - いろんなお話があってすごく面白いです!皆さん更新頑張ってください! (2019年3月12日 15時) (レス) id: 9c9dc8b837 (このIDを非表示/違反報告)
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