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退部? ページ25

たくさんのドリンクが入ったボトルは
少し前の私なら軽々とまではいかなくとも、持てていただろう
だが、今となれば血は吐くわ、起きれない日はあるわで体力なんて以ての外、筋力も衰えてしまっている。

そんな私がたくさんのボトルの入ったカゴを持てるはずもなく、すぐに岩泉先輩に持っていかれてしまった。

綾波「先輩、そろそろ返してください!
私が仕事してない風に見えるじゃないですか!」

それでなくても、今は印象悪いのに…と
文句を垂らすと、

岩泉「仕事してるから、俺が持ってるんだろうが
及川じゃ有るめェし、仕事もしないやつに手は貸さない。」

ほら、と文句の多い私に仕方ないと言わんばかりな顔でカゴから三本のボトルを取り出し渡した。

綾波「ったく、コレだから無自覚は…」

岩泉「あ?なんか言ったか?」

綾波「さァ?先輩が持たせてくれないなら、私先行きますね。」

先輩を横目で見ながら通り過ぎると、
何故か先輩は満足そうに微笑んで私を見ていた。



及川「おーい!綾波ちゃん!岩ちゃん!
はーやーくー!」

私たちの先を行っていた部長はもう体育館についていたらしく
私たちの方に大きく手を振り、大声で呼んでいた。

私は少し小走りで及川先輩の元へ行こうとした。

綾波「うわっ」

岩泉「えっ、」

…のだが、急に足元に力が入らなくなり
そのまま倒れ込んでしまった。
幸い、驚いた拍子にドリンクから手を離したので
顔面を打つ、なんて恐ろしいことにはならなかったのだが。

綾波「な、なんで?」

確かに私は若い分病気の進行が早いと言われはしたが、急に足に力が入らなくなるなんて…

岩泉「おい、大丈夫か?」

先輩の顔をちらりと見上げると
不安そうに私を見ていた。

綾波「…大丈夫です。」

先輩から見れば、躓いてこけたように見えたのかもしれない。

だが私からすれば、

綾波「(先輩に助けを求めたから?
自分でなんとかしようと決めたのに他人に頼ってしまったから?

だから、足だけじゃなくて手まで力が入らなくなったの?)」


さっきまで私は、驚いてボトルを落としたのだと思っていたが
本当は手に力が入らなくなった拍子に足の力も抜けた。と言うのが事実だった。


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まぐ - マジで泣きました(´;ω;`)終わり方も最高です (2021年12月28日 11時) (レス) @page35 id: b38caaa865 (このIDを非表示/違反報告)
プリン - 最後の方本気で泣きましためっちゃいい作品です (2021年12月6日 13時) (レス) @page30 id: df8b182526 (このIDを非表示/違反報告)
あんころもち - 本気で泣きました(´;ω;`)(´;ω;`)めちゃくちゃ素敵な作品です!!感動しました! (2020年12月16日 23時) (レス) id: fbb3dcafb2 (このIDを非表示/違反報告)
ぴえん - 一言言いたい...あーいーしーてーるー!これからも頑張ってください! (2020年8月2日 15時) (レス) id: 243282b2cc (このIDを非表示/違反報告)
感動をどうも - しあわせって仕合わせじゃなくて幸せじゃないんですか? (2018年9月3日 22時) (レス) id: 6cd51c2a27 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:月島あ〜みゃ x他1人 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2015年10月17日 21時

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