Ep.35 情報提供 ページ35
「……そうか」
「ま、こうなっちゃ仕方ないよね。どうせ私一人じゃ大したことは出来ないし、そっちから協力の話を持ちかけてくれるなら願ったり叶ったりだよ」
Aはそう言いながら目を伏せて笑う。
それは間違いなく、こちらから彼女に対して求めていた理想の回答だった。
「じゃあ公安の協力者に戻るんだね？」
「そうだねえ、これからは派手な行動も控えて、公安の要請に従って……」
「……」
「……なーんてね！」
「は？」
次の瞬間、そこには今までと何ら変わりのないけろりとした情報屋の笑顔があった。
「いやあ、無理でしょ！ 今更そっちの指揮下で大人しくしてろって！」
「ちょっ……え？ じゃあ……」
「公安に協力しようって言ったのも、まあそういうのもアリかなーってなんとなく思っただけだし。実際こうしろああしろって言われるの性に合ってなかったんだよねー！」
「って、最初から全然その気なかったってこと！？」
「あまり無駄なことをしているヒマはないんだがな……」
「やー、ごめんごめん！ あんまりバッサリ断るのもアレだし、一旦期待に答えてあげようかなって」
「ただの思わせぶりだよそれは……」
「それで？ 『協力する気はない』というのが君の答えか？」
Aはキョトンと安室を見返す。
「情報提供を渋るつもりはないよ？」
安室の厳しい眼差しを意にも介さず、Aは二人に背を向けてその場を数歩離れ、身軽な足取りで向き直った。
「まー極端言っちゃえば私は別に奴らが壊滅しようがしまいがどうでもよくて、こっちはこっちで勝手にやりたいだけっていうか……だからさ、情報屋としてなら全然任せてって感じ！」
「でもそれって普通に違法捜査にあたるんじゃ……」
「ああ……だが仮にそうなった場合、情報提供の対価は？」
「あははっ！ それは前にも言ったじゃん？」
プラスチックカップを持った手の人差し指をすらりと突き付け、情報屋は怪しく口角を上げる。
「情報の対価はスイーツで、だよ」
「はあ……」
「どうする？ 対価をくれるって言うなら、私は仕事としてそれなりの対応をする。他の依頼は一切受けないし、“ヤマアラシ”を死んだことにして本当に廃業したっていい」
妙な話だった。先に提案をしたのはこちらのはずなのに、いつの間にかあちらが条件を出して選択を迫っているのだから。
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上坂 - 夢主好き💛 (2023年1月19日 21時) (
レス) @page14 id: f311cd81c1 (このIDを非表示/違反報告)
泉 - 夢主好き💜 (2023年1月4日 18時) (レス) @page32 id: 5bd30ec6cb (このIDを非表示/違反報告)
なぎ(プロフ) - ( ^-^)ノ∠※。.:*:・'°☆(ｴﾓｼﾞｼｸｼﾞｯﾀﾀﾒｻｲｿｳｲﾀｼﾏｽ) (2022年12月13日 3時) (レス) id: 6fdcf214e0 (このIDを非表示/違反報告)
なぎ(プロフ) - おめでとうございます！！！！！( ^-^)ノ∠※。.:*:・'°☆ (2022年12月13日 3時) (レス) @page25 id: 6fdcf214e0 (このIDを非表示/違反報告)
なぎ(プロフ) - はじめまして！ほろにがクラゲ★様いつもの楽しみに読ませていただいております。本当にコナンの世界に出てきそうな感じの夢主さんでこれからの展開にワクワクしております。卒業試験頑張って下さい！！ (2022年12月1日 15時) (レス) @page13 id: 33a5069289 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ほろにがクラゲ
| 作成日時：2022年11月25日 16時
